能登半島地震から1カ月が経ち、各地で支援の輪が広がっている。ニュース番組『ABEMA Morning』は、入浴料の一部寄付を決めた東京・墨田区にある押上温泉「大黒湯」を取材した。
こちらの銭湯の壁画には石川県・珠洲市のシンボル「見附島」が描かれている。見附島はその形から、軍艦島とも呼ばれてきた。しかし、今回の地震によって大部分が崩落。大黒湯の壁画には崩落したいまの姿が描かれているとのこと。
「いまの見附島は寂しい。震災の大きさも、このペンキ画で書かれている」(押上温泉・大黒湯の新保卓也店主、以下同)
また壁画には、石川県にゆかりのあるものが描かれている。それが金沢の郷土玩具「加賀八幡起上り」だ。「転んでも起き上がる」起き上がりこぼしの姿に復興を願う思いが込められている。
さらに大黒湯は壁画の描き替えだけでなく、客1人の入浴料のうち10円を寄付する支援も行っている。訪れる客からも支援の取り組みについて評判はいいとのこと。
「銭湯は日々のものだと思うし、(銭湯に)入りに来ることによって、石川県の助けにもなるのはプラスでいいねと言っていただけたのが印象的」
今回の支援は、店主の新保さんに銭湯ペンキ絵師の田中みずきさんから「見附島の絵を描きたい」と提案があったことで始まったとのこと。提案をした田中みずきさんは以下のようにコメントをしている。
「石川県は2014年に石川県珠洲市の「宝湯」さんでペンキ絵を描かせて頂いた思い出深い場所だったこともあり、何かできないかと思ったのがはじまりです。ネットニュースで震災後の見附島の姿を見て、両端が崩れたことに当初はショックを受けたのですが、何度も写真も見返す中で、朝陽の中で崩れながらもそびえ立つ見附島が美しく荘厳に見え、石川県の震災のことを考えるためにこの絵を描けないかと思いました」(銭湯ペンキ絵師・田中みずきさん)
田中さんの提案を大黒湯も快諾。店主の新保さんもまた、“何かできないか”と思う1人だった。
「実は東京にいる銭湯の仲間も石川県の出身が非常に多い。銭湯として石川県のためにできないかと考えていて、今回この見附島を描いてもらうと同時に支援をさせていただこうと決めた。田中さん自身も石川県の銭湯のことをすごく気になさっていた。月日が経ちたくさんの銭湯が無料開放したり、地域の方にどういう形で被災支援とかをできるのかを現地の方の銭湯などもやっているので、少しでも被災支援が続いていけばと考えている」(押上温泉・大黒湯の新保卓也店主)
銭湯が紡ぐ支援の輪。復興を願った取り組みは、東京でも広がり続けている。
また、今回描いた「見附島」について田中みずきさんは「この絵を描き続けてよいのか皆様の反応から考えていきたいと思います」と話している。
さらに、今後の支援については「様々な地域の震災後の様子を拝見することも多く、今回の震災にも長期間の応援が必要になるかと察しており、ペンキ絵でも何かできないか考えています」とコメントしている。(『ABEMA Morning』より)
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