【プレミアリーグ】ブライトン4-1クリスタルパレス(日本時間2月4日/アメックス・スタジアム)
三笘薫の指揮官の、らしさ全開“警告劇”だった。相手のハンドが疑われた場面で、ブライトンのデ・ゼルビ監督は主審の判定に猛抗議。次節の出場停止もお構いなしでイエローカードをもらったシーンには、実況・解説陣も「いつもの光景」と思わず失笑する一幕だった。
問題のシーンは、ブライトンが先制して迎えた6分のことだった。ジョアン・ペドロがゴール前に抜け出そうとした際、クリスタルパレスのコロンビア代表DFダニエル・ムニョスがスライディングで防いだが、跳ね返りのボールが手に当たったようにも見えた。ブライトンの選手が一斉に抗議すると、ここからのやりとりが滑稽だった。
この試合を裁いた主審サイモン・フーパー氏は、気丈に抗議を突っぱねる。ABEMAの解説ハーフナー・マイク氏も「今、絶対に暴言を吐かれているんですけど、逆に暴言を言い返すような、審判も喧嘩を売りにいく」というシーンが見てとれた。ただし次の瞬間、主審はどこかへ向かって走っていく。疑惑の場面でもあるだけに、同じく解説の鄭大世氏は「これVARチェックですかね」と続けたが、行き先を見て「あ、オンフィールドレビューですね」と指摘。だが、主審が向かった先にいたのは、なんとデ・ゼルビ監督だった。
おそらく、判定に抗議したのだろう。主審はブライトン指揮官に向かって迷わずイエローカードを提示した。これにはハーフナー・マイク氏も「この光景、よく見ますね」と、ベンチで常に喜怒哀楽をストレートに表現する44歳の熱き監督の“習性”を説明した。
実況・福田浩大氏が「監督も出場停止になるんですけど。次、入れません」と補足した通り、デ・ゼルビ監督は警告の累積により、次節トッテナム戦はベンチに入ることができないという。ただし、鄭大世氏が「昨季、監督がいない試合はほぼ勝っていますからね」と伝えたように、ブライトンは監督不在でも質を落とさないチームでもあるのだ。
デ・ゼルビ監督も試合後、自身が受けた「イエローカードは正しかった」と認めた上で「自分がベンチにいないことでチームが影響を受けることはないと信じている。イエローカードが出たらトッテナムのベンチに入れなくなることを忘れていたが、選手たちは私がいなくてもプレーできる」と、次の試合に向けて自信をのぞかせていた。
直近のリーグ戦で思うような結果を得られていなかったブライトンだが、この日は目が覚めたような戦いを披露して、全員が躍動する形でクリスタルパレスを4-1で一蹴。日本代表FWでキーマンの三笘薫が不在の中、デ・ゼルビ監督が導くブライトンは復調気配だ。
(ABEMA/プレミアリーグ)