大分・別府ひき逃げ死亡事件で現在も逃亡を続ける八田與一(はった・よいち)容疑者(27)の足取りについて、裏社会に詳しいジャーナリストの石原行雄氏が推察した。
 
【映像】八田容疑者、身近に潜んでいる可能性
 
 2022年6月29日、別府市の県道で信号待ちをしていた2台のバイクに軽自動車が追突し、男子大学生2人が死傷した。軽自動車を運転していた八田容疑者はその場から逃走、警察庁は2023年9月8日付で、道交法違反で全国初となる「重要指名手配」に指定し行方を追っているが、いまだ逃走を続けている。
 
 「(八田容疑者は)誰かにかくまってもらっているとか、協力者がいるという風に考えたほうがいいのか」という質問に対して石原氏は「市橋達也受刑者のような個人の場合というのは、背後関係がないという点では動きやすいとは思う。追っている者も警察だけ」と、リンゼイ・アン・ホーカーさんの殺害事件で全国を逃亡していた市橋達也受刑者を例に解説。
 
 また、個人で行動することのデメリットとして「支援がないということは、生活費を稼ぐとか、食事とかも自分で購入する。社会との接点が多いので、そういう意味では目撃証言から追い詰められやすい立場ではあると思う」と説明した。
 
 現在の八田容疑者の動きについては「市橋のようなパターンじゃないかと思う。別の人物の名前を装って、どこかで普通に社会生活をしている可能性が高いんじゃないか」と予測した。
 
 石原氏は「東アジア反日武装戦線」のメンバーで指名手配され長年にわたって逃亡し、先日死亡した桐島聡容疑者と見られる男を例にあげ「社会生活を持っていながらも『住み込みで40年同じ工務店』というと、比較的クローズの狭い世界のなかで生活しているので、それで発見が遅れてしまった」と指摘。「そういう点を捜査でどこまで切り込むか。あるいは指名手配犯のポスターでどこまで目撃証言が集まるか、というところがひとつ勝負ではあると思う」と、今後の焦点について語った。