“グルメ王”渡部建と同じ舌を持てるかもしれない。今、他人の味覚を共有できる驚きのシステムが開発されているという。
 
【映像】田中萌アナ、味覚共有システムを体験する様子
 
 テレビ朝日の田中萌アナウンサーは「アナウンサーですが、味を伝えるのが苦手で早く食リポがなくなればいいと思っている」と本音を話し、NTTドコモを訪問した。慶応義塾大学特任教授で博士の石川博規氏はこのシステムについて「普通味覚って同じものを食べても人によって違う。それがわかるようになる、価値観を共有し合える、そんな感じ」と解説。
 
 NTTドコモと明治大学らが共同開発した装置は、他人の味覚を共有できるというシステム。人間は同じ食べ物を食べても人それぞれ感じ方が違い「おいしい」と感じる人も「苦手」という人もいる。ピーマンが苦手な子どもが感じている味はどんな味なのか。味覚共有システムはその人はどう「うまい」と感じているのか、またどう苦手と感じているのか。料理自体の味ではなく、その人の舌で感じている味を味わうことができるという。この装置は、アンケートなどのデータをもとに、その人が感じる味を液体で再現する。
 
 石川氏は「アニメとか映画とか、おいしそうなご飯を食べているシーンがいっぱい出てくる。自分の実体験から『おいしいんじゃないか』みたいな感じが理解はできるが、実際に作者であったり登場人物の方が食べている味って、そのものが理解できない。今後はこういうことがこれを使えばできるようになるので、より作者の意図とかがわかる、新しいコンテンツのあり方のひとつに使えるかなと思う」と将来性について語った。
 
 その他、ワインソムリエでなければ判別できないような味を共有することができれば、ワインの楽しみ方も変わる可能性がある。
 
 ソムリエでアカデミー・デュ・ヴァン講師のくっくショーヘイ氏は「例えば一般の方々だったら『ちょっと酸っぱい』ぐらいのやつが、ソムリエの中では『ちょっと酸っぱい』から何段階かに分かれていて、甘みとか苦みだったりとか、そういう表現が大体5段階ぐらいで評価している。少なめ、中間、めちゃめちゃ強いのか、それぞれの中間なのか。それを相手に伝えるのがなかなか難しいところがあるので、(味覚共有システムは)その微妙なニュアンスを伝えるうえでは、非常に有効な手段だと思う」とコメントした。
 
 実際に体験した田中アナは、「(このシステムによって)一生懸命リポートしなくても伝わるようになりますかね。テクノロジーの力で食リポ問題が解決できるなら、しちゃいたいと思います」と笑顔で語った。
 
 また、同システムを通じて「体験したい人の味覚」を問われた田中アナは「アンジャッシュ渡部さんの味覚があれば、私ももっと言葉がポンポン出てくるんじゃないかな」と回答。これに、千原ジュニアは「味覚とワード(語彙力)は別でしょ。あなたの場合は味覚があるんだから。サービス精神がないだけや!」とツッコミを入れて笑いを誘った。
(『ABEMA的ニュースショー』より)