「世界水泳ドーハ2024」8日目が2月9日に行われ、女子3m飛板飛込決勝では中国の陳藝文が336.60点で銀メダルを獲得すると、同じく中国の昌雅妮も354.75点で金メダルを獲得、ワンツーフィニッシュを決めた。2人とも同じ5152B(前踏み切り2回半、1回ひねりえび形)で締め括ったが、陳藝文の入水は水しぶきがほとんど出ない“ノースプラッシュ”で、銀メダルとは思えない完璧な演技。解説者も「素晴らしいですね」と称えると「本当に小さな穴に体を滑り込ませていっている」と、その技術の高さを表現した。
【映像】ごくわずかな水しぶきしか立てなかった中国選手の飛込演技
ここから人が水中に入っていたとは思えないほど、水しぶきは小さかった。軽やかにも見えるステップからタンッと踏み切ると、美しい姿勢で2回転し1回ひねり。あとは指先から入水を迎えるのみという状況だったが、ここから陳藝文の技が光った。解説者が指摘したのは「範囲も狭い」という点。体を細くすることで、いかに水面に触れる部分を減らすか。解説者の言葉は「本当に小さな穴に体を滑り込ませている」というものだった。
大きく広がる水面ではなく、自分がターゲットとした部分に指先から触れ、一瞬開けた小さな穴に全身を入れていくような感覚。超一流のアスリートにしか体現できないものが、観客にはとてつもなく小さな水しぶきとなって見えているわけだ。
あまりにスムーズな入水に、滑らかさまで感じる演技。金メダルどころか銀メダルまで独占する“飛込大国”中国。その技術に底はまるで見えない。
(ABEMA『SPORTSチャンネル』)