作家として芥川賞を受賞、国会議員や東京都知事を務め言動が常に注目されていた故・石原慎太郎さんとの“最後のやりとり”について、長男で元自民党幹事長の石原伸晃氏と橋下徹氏が10日の『NewsBAR橋下』で明かした。
橋下氏は、慎太郎さんが亡くなる前に家を訪れたという。伸晃氏は「頼んで来てもらったら、親父が喜んで。あの後、“俺、橋下くんに言ったかな?”という話があるんだけど」と切り出すと、次のように続ける。
「“俺は君と別れたくなかったんだよ、って言いたかった”と(※)。私は(その場を)アレンジした側だから、半歩引いて2人の込み入った話は聞かなかったけど、そんなことがあった」
※慎太郎さんは2012年10月に東京都知事を辞任すると、橋下氏とともに日本維新の会の代表に就任したが、その後分党した
橋下氏は「雑談させてもらって、“うちの子どもが映画『アラビアのロレンス』を見るのに、砂漠のシーンを早送りするんです”と言ったら、慎太郎さんは“それは面白い。文明論だな”“対談やろうよ”と。帰り際、玄関先で靴を履いて出ようとした時に、“さらば、友よ”と握手してくださった。それが最後だった」とコメント。
伸晃氏はさらにその後のエピソードとして、「“伸晃、今の本にならねえかな?”って、最後まで文筆家・文士としての血が騒いだわけだ。良い話ができたと、うれしかったのだろう」と明かした。
橋下氏は「年齢差が40ぐらいあるし、いろいろ意見が違うところはあるんだけど、真正面から議論してくださる。僕は40歳下の人たちとあんな真剣に議論できるかどうか」と慎太郎さんの人柄に触れる。
伸晃氏は「“お前は自民党どっぷりだからな”“お前も橋下くんとやりゃあいいのに”と私に言ってきた。亡くなる2カ月前の晩年、橋下さんが来て興奮したんだと思う」と語った。(ABEMA『NewsBAR橋下』より)