サッカー元日本代表監督で現在は日本サッカー協会副会長も務める岡田武史氏が、17日に放送された『NewsBAR橋下』にゲスト出演。3日にカタールで行われたアジア杯準々決勝でイランに1-2で敗れ、ベスト8で敗退となった日本代表の敗因を語った。
歴代最強ともうたわれ優勝を期待されていた日本代表。しかし、アジア杯では準々決勝でイランに1-2で敗れ、ベスト8止まりという結果となった。試合後にはSNSなどで森保一監督の解任を求める声も上がったが、日本サッカー協会は続投の方針を示している。番組の進行役を務めるサバンナの高橋茂雄は、「強くなった日本代表への期待値が高かっただけに、もうこれで試合が見られなくなるんだ…という残念感はあった」とコメント。岡田氏の目にはどのように映っていたのだろうか。
すると、岡田氏の第一声は「え、負けたんだっけ?」。このおとぼけには一同大爆笑となった。掴みはバッチリとなったが、表情を切り替えた岡田氏は「敗因は“美学”に走ったこと」とピシャリ。「良い時って大体、日本人は美学に走るんですよ。今回も、目の前の相手に勝つことよりも『俺たちのサッカーはこうだ』と、そういう域に行っていたと思うんです。日本人はスッと“美学”側に行ってしまうんですよね」と分析していた。
日本代表を率いた経験を持つ岡田氏は、「美学を持つことは素晴らしいこと」とした上で「勝負の時にはやっぱり死に物狂いで戦わなければならないのに、日本人は“武士は食わねど高楊枝”、となってしまう。いや、食わんと戦われへんやろ!」と厳しいツッコミも入れていた。
現在の日本代表のレベル自体は大きく上がっており、岡田氏から見ても「今のチームはひょっとしたら“美学”に走っても勝つかもしれないなと思うくらい、かなり力は持っている」という。それでも紙一重のレベルで戦う大舞台では「ボール際で『絶対に取ってやる』という気迫を持って行くのか、『戦術的に俺が行くんだっけ?』と行くか、同じ距離にいても結果は大きく変わってくると思うんです」と指摘した。
“美学”に走ってしまう空気はどこから生まれるのか。「選手たちがそういう空気になってきた時には、監督がコントロールしなければならない」と語る岡田氏は、「先日、森保監督と食事をした際に『今回は失敗した』と言っていました」と明かす場面も。「監督だって失敗することありますよ。失敗しない人なんかいない」とし、ファンへ理解を求めた。
さらに岡田氏は、「メディアが“絶対に負けられない戦いがある”とかあおるから~」とも。サバンナ高橋は「でもあのCMを見ると、こっちも気持ちが盛り上がってしまうんですよね」と痛いところを突かれた、とばかりに苦笑いを浮かべていた。
(ABEMA『NewsBAR橋下』より)