大川原化工機(おおかわらかこうき)の冤罪事件で、捜査関係者からと見られる「告発文書」が送られてきたことがわかっている。
 
【映像】捜査関係者から?“捏造”を示唆する告発文書
 
 2020年3月11日に大川原化工機の社長、取締役など合わせて3人が外為法違反の容疑で逮捕され、のちに冤罪であることが明らかになった大川原化工機事件。外為法は軍事転用が可能な技術が安全保障上の懸念のある国やテロリストに渡らないよう規制しており、これを許可なく不正に中国などに輸出した疑いがかけられたものだ。
 
 しかし、のちに明らかになったところによると、会社側は社長の逮捕前から「殺菌に必要な温度に達しない箇所がある」と詳しく説明。しかし公安部はそれを確認しないまま逮捕。さらには殺菌の解釈をあえて誤解させて供述調書に捺印させたり、データの隠蔽や不十分な実験、容疑を裏付ける専門家の意見を都合のいいように改ざんしていたという。
 
 3人の身柄拘束が続いていた最中、会社に警視庁の封筒に入った文書が届く。差出人の名前はなく「匿名での文章で大変申し訳ありません。地方公務員法に抵触するおそれがあることから本名を明かさず、文面にて連絡させていただきます」と書かれており、捜査関係者からの内部告発と思われる文書だった。
 
 文書は警察内部にも大川原化工機の見解に近い者がいると、具体的な名前を挙げ「彼は警察組織の意向とは関係なく自分の意見を貫くはずだから、裁判で彼を証人として呼べば会社に有利な情報が明らかになるはずだ」と記載。この捜査に関わりながら、冤罪との信念を持つ捜査員の実名を挙げ、裁判で証人として呼ぶことを提案する内容だった。そして「貴社が無罪になることと感じている」と結ばれていた。
 
 事実、社長らが国と東京都に損害賠償を求めた裁判で捜査を担当した捜査員は「まあ、ねつ造ですね」と証言している。
 
 原告代理人を務めた高田剛弁護士は、この文書について当時転換点になるものだとは思っていなかったと告白して「『無罪まではとれるな』と思いながらやっていて。我々がやっていることは間違いではないんだということがわかったという程度だったが、今となってみると、我々がその当時認識していたよりもずっと、真っ黒なことが行われていたわけで。この“出し主”というのはそういうところを含めて告発したかったのかなというふうに感る」と振り返った。
 
(『ABEMA的ニュースショー』より)