【写真・画像】馬術×球技 「ホースボール」とは?日本の第一人者、西島隆史さん「」 1枚目
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 馬を自在に操りボールをゴールへ。時には激しくぶつかり合いながら、両手を離した状態でボールを運ぶことも。「馬術」と「球技」が合わさったダイナミックなスポーツ、「ホースボール」。人馬一体となったその姿から”ケンタウロスのラグビー”とも呼ばれている。

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 2月12日、東京・世田谷区の馬事公苑で行われたイベント「ホースメッセ」では、競技の実演が行われた。普段の試合は4対4で行われ、パスを回しながらボールをゴールのリングに運ぶ。日本ではまだ知る人も少ない「ホースボール」の迫力あるプレーに、多くの観客が釘付けとなった。試合中に落ちてしまったボールも、馬に乗ったまま体を投げ出すようにして拾う。 華麗なプレーを披露したのは、 西島隆史さんだ。

 試合で使用するボールについて、西島さんは「サッカーの4号球に革の取っ手が6本付いているものです。もともとアルゼンチンの国技のパトというものがありまして、それで使っていたボールですね」と説明する。

 アルゼンチンの国技「パト」を発祥とする「ホースボール」は、実は1970年代にフランスで誕生した比較的新しいスポーツ。日本での競技人口は、まだ30人程度で、西島さんが代表理事を務める日本ホースボール協会が普及を図っている。日本におけるホースボールの”第一人者”である西島さん。ホースボールと出会ったのは、ホテル勤めをしていた2010年のことだった。

「馬の雑誌にホースボールの記事が載っていて、その写真1枚を見た時に、“あっこれ俺やりたいわ”って、ビビッと来ました」

 たった1枚の写真に衝撃を受けた西島さんは、仕事を辞め、乗馬クラブに飛び込んだ。馬に乗ることもままならなかった中、無給の研修生として一から馬の扱いを学んだ。ホースボールの魅力に取りつかれた西島さんだが、国内での普及には難しさも感じていた。

「そもそもボールを馬の施設で投げたりするのは、NGな行為ではあるので、(ボールが)飛んで来たりしたら、馬はビックリしてどこかに行ってしまう。それが当たり前と思われてる中で、広めていくのは大変」

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 そんな中、2012年に「日本ホースボール協会」を立ち上げた西島さん。海外へのホースボール留学も経験、日本でも一緒にプレーをする仲間が少しずつ増えていき、2022年にはフランスで行われたワールドカップに初めて参加することになった

「僕ら自体は赤ちゃんが産まれたような感じ。向こうのホースボール協会の方から“いけそうか?”と言われて、“そういう状態ですけど、良ければ行かせてください”とお伝えして参加することができました」

 日本チームのワールドカップデビューは、参加10カ国中、10位という成績だったが、「ほんとに温かく迎えていただいた。世界中の人々にホースボールの日本チームも誕生して、今後どう発展していくかは、みなさんに見守っていただいている」と振り返る。

 2025年にはアルゼンチンで開催される予定のワールドカップ。2度目の出場を目指す西島さんだが、日本での急速な普及には、ためらいもあるという。

「競技人口を増やしたいんですけど、馬の状態をあまり考えずにやっちゃう人もいて。早急な発展をすると結局、割りを食うのは馬になるというのは肌感であります。今は緩やかでも発展していけばいいかなと」

 現在、ホースボールで活躍する馬たちは、競馬から引退した馬が中心。西島さんは、馬に無理を強いることなく、新たな活躍の場で「寿命を全うして欲しい」と話す。

 馬に関しては素人同然だった西島さんが、その“カッコよさ”への憧れから飛び込んだ「ホースボール」の世界。馬という生き物との出会いと共に過ごす日々によって、自身の思いも少しずつ変化してきたようだ。

「動物に心があることに、まったく気付いていない人間だったので。動物に心があることをわかって、良かった。できるところからより多くの馬、ホースボールに関わってくれた馬を最後まで面倒見るのだけは絶対にしたい」

(『ABEMA Morning』より)

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