大川原化工機(おおかわらかこうき)の冤罪事件について、国際政治学者の舛添要一氏が持論を展開した。
【映像】舛添氏が声を荒げる様子
大川原化工機は、警視庁公安部から主力製品の噴霧乾燥機(スプレードライヤ)を「生物兵器に転用できる機械」だとして、不正に輸出したという外為法違反の嫌疑をかけられた。社長、取締役など合わせて3人が無実の罪で逮捕、起訴され、11か月にわたって不当に長期拘束されたこの事件は、のちに起訴が取り消され、冤罪が明るみになった。
国際政治学者の舛添要一氏は、この事件の背景に「嫌韓・嫌中の安倍政権」が関係していると分析する。大川原化工機は、2003年頃から中国や韓国を含む様々な国に噴霧乾燥機の輸出を行っていたという。では、なぜ中国と韓国に向けた輸出だけが問題にされたのか。
大川原社長は「情勢としては、安倍さんがトランプさんとの良好な関係を作っていくために、対中国(嫌中ムードであった)。そして、一部の話では、韓国をホワイト国からグレーにダウンするといった風潮があったんだろうと思う」と当時を振り返った。また、この事件を担当する高田弁護士も同様の見解であるという。
「公安はこの噴霧乾燥機の規制が不十分であることを利用して、何か立件をしたかった。立件をするときに、どの会社のどの機械をあげるか、いろいろな選択肢がある中で、大川原化工機というドメスティックの中小企業を選び、かつ様々な輸出先がある中で、まず1件目として中国を選び、そして中国と大川原化工機との繋がりというポンチ絵を描いて経産省に説明をし、その後2件目を選ぶときは、日韓関係も考えて、韓国への輸出を選んだ」(高田弁護士)
それを受けて舛添氏は「公安は予算が少ないし、政権を持っている人が『お前よくやった』と言うと予算が上がる」と内情を説明し、その上で「安倍政権というのは、嫌韓派・嫌中派に囲まれていた。すると、その政権ないし政権周辺を覚えめでたくするには、韓国と中国を叩くこと」との見方を示した。また、噴霧乾燥機の輸出を指摘された時期と、舛添氏が失脚した時期は「同じ」だとして、「国会議員時代の政治資金収支報告書で、5年間で30万円の記載ミスがあった。その時、自宅に極右団体が街宣車でやってきて『お前は政治資金の不正をやってるからだ』というのではなく『お前は韓国と仲良くした、中国と仲良くした』と。そりゃ姉妹都市だから、ソウルに行き朴槿恵さんとも話して、そして中国・北京にも行った。それが全部報道される。すると『国辱外交だ』と言われた」と、当時感じた違和感について語った。
「そして決定的だったのは、東京にある韓国人の子どもたちの学校が狭くなったから、都知事としてお金を取って『この学校空いているから使ってください』という(方針の)報道が出た翌日に街宣車が来た。だから、嫌韓派・嫌中派という雰囲気を利用すれば、安倍政権が覚えめでたくなって、予算が取れる、そういう魂胆が背景にあると思う」(舛添要一)
(『ABEMA的ニュースショー』より)