サッカー元日本代表監督で現在は日本サッカー協会副会長の岡田武史氏が、17日のABEMA『NewsBAR橋下』にゲスト出演し、海外進出が進む日本サッカーについて話した。
【映像】岡田武史氏「“この選手いなくなったらヤバい”がほぼなくなった」
今の日本代表は選手層が厚くなってきたという。「W杯前の練習試合なんかでも、高卒でヨーロッパに行っているような若い選手がわんさか出てくる。これは今までになかった。昔は、“この選手がいなくなったらヤバい”っていうのがあったけど、今はほぼ誰がいなくなってもなんとかなる」と話す。
また、「最初にW杯出た時は1人も海外でやっていなかった」と振り返った上で、「個の力があっても、代表チームが活躍して“日本の選手いけるな”とならないと海外に取ってもらえない。選手も世界でやっている自信がないとどこかおどおどしてしまう。今の日本代表が強いのは経験値が上がったから。例えば、カタールW杯で同じ組のドイツに対して、選手は“バイエルン・ミュンヘンの方が強いですよ”と言う。1998年フランス大会、初戦のアルゼンチンのときなんて、“うわっオルテガだ”“バティストゥータだ”とサインもらいに行きそうになった(笑)。100m競争で10m後ろからスタートしていたのが、今は対等になっている」と説明した。
ただ、2019年には日本と海外の環境の差を感じる試合があったという。「森保ジャパンがベネズエラに前半で4点入れられたとき、ハーフタイムで選手たちは目が泳ぎ、何もせず試合に戻っていった。その年にU-17のサッカーW杯があったのだが、準決勝、圧倒的に強かったフランスが地元ブラジルから早々に2点を奪い、何点入るかと思っていたら、そのまま前半を耐えた。その後のテレビ映像では、ブラジルの選手がレギュラーもサブも集まって激論している。そこに監督はいない。そして後半、ブラジルが奇跡の逆転を起こした。この違いだ」と指摘する。
また、「ブラジルではユースのチームに合格しても、翌週自分より上手い選手が来たらクビになる。監督・コーチの言うことを聞いてても生き残れない。海外組はそういうことを経験するわけだ。日本にいると、ある程度コンフォートゾーン(快適な空間)でプレーできてしまう」とした。
(ABEMA『NewsBAR橋下』より)