ロシアの反体制派指導者、ナワリヌイ氏が刑務所で急死した。
 
【映像】死亡前日のナワリヌイ氏の様子
 
 来月、大統領選挙を控えるロシアで、ナワリヌイ氏が急死し、暗殺ではないかとの指摘が出ている。ナワリヌイ氏は以前にも、旅客機での移動中に、神経剤「ノビチョク」によって、意識を失ったことがあった。
     
 ロシア問題に詳しい、筑波大学名誉教授の中村逸郎氏は「プーチン政権によって暗殺された可能性が非常に高い」といい、現場の刑務官の判断だとは思えず、「プーチン政権の中枢、そしてプーチン氏自身も関わった」との見方を指摘する。ナワリヌイ氏の妻、ユリヤさんは「プーチンはナワリヌイという人間を殺しただけではありません。彼と共に私たちの希望、私たちの自由、私たちの未来を殺したかったのです」とYouTubeで語った。アメリカのバイデン大統領は、ユリヤさんと娘に面会し、自由で民主的なロシアを目指して腐敗と闘ったナワリヌイ氏の功績をたたえたという。
     
 暗殺と疑われる背景には、これまでもプーチン大統領を批判する人たちが、不審な死を遂げたことがある。2023年8月には、武装反乱を引き起こしたプリゴジン氏が乗った飛行機が墜落。ウォール・ストリート・ジャーナルは、これを暗殺計画の一環だったと報じている。2月13日には、ウクライナに亡命した元ロシア軍パイロットのマキシム・クジミノフ氏が、銃で6発撃たれた後、車にはねられて殺害された。
     
 国際政治学者の舛添要一氏は、「(反逆者を)殺すなど朝飯前」と指摘する。自国民を大量虐殺したスターリンを崇拝していることから、ロシア帝国復興のためなら、なんでもする人物だと評した。
     
 ナワリヌイ氏は、刑務所で散歩後に、意識を失って亡くなったとされている。ロシア当局は「事件性はない」とする一方、ロシアの独立系メディアは、遺体には押さえつけられたようなアザが複数あったと伝えている。
     
 筑波大学の中村氏は「プーチン大統領も、実は事前に指示したのではないか」と推測する。プーチン氏が大統領選を控え、反体制派に断固した措置で臨む姿勢を見せたとする考えだ。中村氏は調査の一環で、ナワリヌイ氏が収監されていた刑務所がある、シベリアの村を訪れたことがあるという。その刑務所は、モスクワから約1900キロ離れた北極圏に位置している。
 
「極悪犯を収監する刑務所として、『極北の狼』と言われている。刑務所の横の懲罰房に、ナワリヌイ氏は何度か入れられていた。当局は散歩といっているが、懲罰房にいったり来たりしていたようだ。アザがあったという話もあるので、1発ぶん殴られて、痛さのあまりに気絶して倒れてしまい、そのまま放置されたのではないか」(筑波大学名誉教授・中村逸郎氏)
 
 ナワリヌイ氏の死が発表された当日、プーチン氏は「前へ!成功だ!新しい国境へ!」と表明。ワシントンポストによると、死の直後は歓喜にあふれていたという。
 
「プーチンが考えているのは、今年11月のアメリカ大統領選挙まで、なんとかこの戦争を伸ばしていくこと。トランプさんが大統領になれば、交渉してロシア軍をウクライナから撤退させる。その見返りとして、アメリカがロシアに課している経済制裁を全面解除(を期待している)」(中村逸郎氏)
 
(『ABEMA的ニュースショー』より)