いま、移植手術において、ブタの臓器が注目を集めている。
【映像】ブタからヒトへ「臓器移植」の仕組み
東京慈恵会医科大学などが、胎児にブタの腎臓を移植する臨床研究を計画し、実現すれば国内初の「異種移植」の例となる。胎児の時に腎臓が正常に作られず、老廃物などが尿として十分に排出できない病気「ポッター症候群」を患うヒトの胎児に、ブタ胎児の腎臓を一時的に移植し、出生後に人工透析が可能になったら、ブタ腎臓を取り出すというものだ。これまでポッター症候群は生存率が低く、中絶せざるを得なかったが、この「異種移植」が実現すれば、命を諦めないで済むようになるという。
「未熟児で生まれてしまうと、腎臓が悪くても透析ができないので、透析ができるまで成長させる。2〜3週間だけ、ブタの腎臓が尿を出してくれれば、後はそれを除いても構わない」(東京慈恵会医科大学・横尾隆主任教授)