中国のスターバックスで限定発売した「豚の角煮ラテ」とはいったいどんな味なのか? 不況が続く中国経済とコーヒーの“美味しい関係”についてANN上海支局の高橋大作支局長に聞いた。
━━「豚角煮ラテ」とはどんなものなのか?
「中国のスターバックスで春節に合わせて1カ月限定で発売された『豚角煮ラテ』の価格はおよそ1400円。ラテの上には串に刺さった角煮、というよりポークジャーキーがのせてある。口に運ぶと、角煮、ラテ、鼻へ抜ける角煮と複雑な味わいを楽しむことができる」
━━中国人は日常的にコーヒーを飲むのか?
「実は中国の都市部ではコーヒー文化が育っている。上海は市内に8500軒以上カフェがあり、軒数では世界一といわれており、競争を勝ち抜くため『ピーマンラテ』や『コーヒー茶漬け』なども販売されている。中国全土においてカフェは50000軒もありアメリカを抜いたという報道もあったが、これはあくまでチェーン店の店舗数の話だ。コーヒー豆の消費量でいうと、中国はアメリカの8分の1であり、裏を返すと“伸びしろ”がある」
━━中国では不動産など不況のニュースが多いが、コーヒー産業は成長しているのか?
「成長産業だといえる。ただし、都市部では既に飽和状態だともいわれており、スターバックスの次の戦略は、地方都市での出店を増やすことだとしている。スターバックスのコーヒーはブラックで500円程度。けっして安くはないが、地方の人たちも日常的に飲めるようになっている」
「また『高級車や不動産を買うよりも、オシャレなカフェや少し変わったコーヒーを撮影してSNSで発信する方が幸せ』という方向に価値観が変化しているのかもしれない。“爆買い”ではなく良いものをお得に買う、旅行・買い物にもコスパを求めるなど、幸せの形が変わってきているように感じる。そうなると今までの経済の尺度の代表例であるGDPなどは伸びにくくなる」
━━中国共産党にはコーヒーで世界の覇権を握る野望があるのか?
「政府もコーヒー産業を押し出している。例えば、雲南省はプーアル茶の産地として栄えたが高齢化が進んだ。そこで政府も後押してコーヒー畑として生まれ変わり、ブランドコーヒーが世界に売り出されている。また、中国の有名コーヒーチェーン店も世界に展開するなど、新たな産業として育てようとしているようだ」
(ABEMA/倍速ニュース)