“ととのい具合”が数値でわかる腕時計が登場した。売れすぎて在庫すらない状態だというのはサウナウォッチ(通称サウォッチ)だ。
 
【映像】サウナウォッチを体験する様子
 
 このデバイスが付録として同梱された『大人の科学マガジンSpecial』(学研)は予約段階ですでに完売。税込み8990円ながら入手困難が続き、高価な付録本としては異例の大ヒットを記録している。
 
 サウナウォッチで計測した心拍データをアプリに送ると体への負荷やリラックス状態の深さなども勘案して、どれくらい整ったかを数値として提示。まさに“ととのい”の可視化を体験することができる。
 
 「予防医療を本気で進めよう」と語るのは、日本サウナ学会代表理事で現役医師、慶應義塾大学医学部特任教授の加藤容崇医師だ。専門はがんの早期発見技術開発。加藤氏が書いた『医師が教えるサウナの教科書』は7万部を超えるサウナ界初のベストセラーとなった。そして加藤医師がみずから被験者となり、実験、研究した成果こそ、このサウナウォッチだという。
 
 加藤医師は「適切な入り方をしないと毒にも薬にもなるのがサウナ」と説明。加藤医師によれば運動はきつくなるとストップできるが、サウナの場合は体の負担以上にがまんができてしまう。恍惚の瞬間である“ととのい”を獲得するために、どうサウナに入るのが最適なのか。サウナウォッチはそれを教えてくれる時計だというのだ。
 
 サウナウォッチは心拍数や体表温度を計測。設定した心拍数に基づき、サウナ室を出るタイミングをバイブレーションで教えてくれるそう。サウナ後はサウォッチをアプリに同期すると、“ととのい”のグレードまで数値となってはじき出されるという。
 
 “ととのい”について加藤医師は「シンプルな言葉で言うと『普段はなかなか感じることのない状態』であるということ。いわゆる『乖離(かいり)状態』というのが正しい」と説明。サウナ室や水風呂で体が急激に追い込まれ心拍数はどんどん高まるが、休憩に入ると心拍数が下がり体はリラックス状態に。しかし時間差で脳内ではアドレナリンが分泌され興奮状態に突入。その乖離状態が“ととのい”の正体だという。
 
 加藤医師はその後もみずからさまざまな実証実験を重ね、入眠時間が早くなり睡眠の質が良くなる。頭頂葉が活性化され、アイデアがひらめきやすくなる、といった“ととのい”の効能を発見。さらには味覚も研ぎ澄まされるという。
 
 元『週刊SPA!』副編集長の田辺健二氏は、サウナウォッチについて「自分ではなかなか心拍数ってわからないじゃないですか。これは的確にわかるので本当に画期的」と語り、その上で「いまサウナーがみんな欲しがっていて、完全に在庫がない。今月末から補充が決まっているそう」と補足した。
 
(『ABEMA的ニュースショー』より)