【明治安田J1リーグ】川崎F4-5磐田(3月1日/等々力陸上競技場)
ジャーメイン良が、今季J1で最初のハットトリック達成者となった試合が壮絶すぎた。磐田のストライカーが決めたゴール数は「4」だが、ネットを揺らした回数は「5」。ファンが「やべぇ試合だ」と大熱狂した、アディショナルタイムを含め118分の大激闘は、ジャーメイン良が“実質5点”を挙げてヒーローとなり幕を閉じた。
明治安田J1リーグ第2節、川崎フロンターレvsジュビロ磐田が等々力陸上競技場で行われ、壮絶な打ち合いの末、磐田が5-4で逃げ切り、J1復帰後、初勝利を収めた。この試合のヒーローは間違いなく、今季J1で初のハットトリックを含む4得点を決めた磐田・ジャーメイン良だが、この試合が壮絶すぎた。
植村洋斗の華麗な左足フィニッシュで磐田が6分に先制し、18分にジャーメイン良がヘッドで追加点。さらに29分、川崎Fを翻弄するパスワークから再びジャーメイン良が決めて、一気に3点をリードして主導権を握った。
その後、息を吹き返した川崎Fの猛攻を浴びて59分に3-3と試合を振り出しに戻されてしまう。迎えた80分、ボックス内で相手GKチョン・ソンリョンに倒され、VAR(ビデオ・アシスタント・レフェリー)が入ると、主審のオン・フィールド・レビューの結果、PKの判定に。これをジャーメイン良が決め切り、今季J1で初のハットトリックを達成した。しかし、この試合はまだ終わらない。
85分、川崎FがPKにより再び同点として迎えた91分、アディショナルタイムに入ったところでジャーメイン良が勝ち越しゴールを決めたものの、このシーンもVARの判定に。その結果、相手選手のハンドとなり、ゴール取り消し→PKという珍しいシーンとなったが、試合後このシーンを振り返った自身が「自分で取ったPKですし、(その前にゴールが)入っていたので、外してもそんなにたたかれないかなと思って気持ちを楽に蹴りました」と振り返ったように、ジャーメイン良が落ち着いてこれを決め切って5-4とし、文句なしに勝ち越してみせた。
アディショナルタイム9分と表示された試合は、その時間にも試合が止まる展開で、最終的に117分強で決着。壮絶すぎる試合にはファンも「大混乱」「やべぇ試合だ」「神ゲーム!」と大熱狂。磐田が主導権を握り、川崎Fが意地を見せ、そして、「今日はゴール前で自分のところに転がってきていたのでラッキー」と振り返った磐田のジャーメイン良がヒーローとなって、この激闘に終止符を打った。
ジャーメイン良は昨季、J2で31試合・9得点を挙げたものの、過去、ベガルタ仙台、横浜FC、磐田で6シーズンをプレーしたJ1のキャリアにおいて、シーズン最多ゴール数は「3」だった。今季はその数字をわずか1試合で塗り替え、磐田にとっても、ジャーメイン良自身も、とてつもないインパクトでJ1復帰後、初勝利を飾ってみせた。
(ABEMA de DAZN/明治安田J1リーグ)