【明治安田J1リーグ】川崎F4-5磐田(3月1日/等々力陸上競技場)
自身のハットトリックがかかったPKのチャンスで、その絶好機を大卒2年目の若武者に譲ったシーンが話題だ。川崎Fのブラジル人ストライカーは、PKに際して山田新がボールを渡そうとすると、「お前が蹴るんだ」とばかりにそれを押し戻してキッカーを託した。
明治安田J1リーグ第2節、川崎フロンターレvsジュビロ磐田が等々力陸上競技場で行われ、壮絶な打ち合いの末、ホームチームは4-5で惜敗したが、この試合の中で、川崎Fのストライカーが見せた“漢気”あふれる振る舞いが話題となった。
川崎Fが3-4と1点を追いかける83分、大卒2年目の山田新がボックス内右で仕掛けてファウルを獲得。同点に追いつくPKのチャンスで、山田はキッカーにエリソンを指名する素振りを見せた。ブラジル人FWはこの日、2得点を挙げ、ここで決めればハットトリックとなる。山田は手に持ったボールをエリソンへと押し付けるように渡した。
しかし次の瞬間、エリソンはこれを突き返す。山田の肩をつかみ、「お前が蹴るんだ」と言わんばかりの漢気を見せ、PKを獲得した本人にキッカーを託したのだ。
今季、川崎Fに加入した新助っ人からボールを託された山田は、右足を一閃。強烈かつゴール左上隅のコースを突く豪快なシュートで試合を振り出しに戻してみせた。
一連のやりとりを見ていたファンはSNS上で「エリソンが蹴らないんだ」と反応したが、同時に「エリソンPK譲るのか、、優しい」といった声も。3点ビハインドを追いついたホームチームの怒涛の反撃に歓喜すると共に、その振る舞いに感激した様子だった。
試合は終了間際、磐田に再びPKを決められ初黒星を喫したものの、エリソンは今季加入後、公式戦4試合で5得点を挙げ、そのプレーと行動でファンの心をつかんでいる。
(ABEMA de DAZN/明治安田J1リーグ)