『しくじり先生 俺みたいになるな!!』に、元公安警察がしくじり先生として登場。日本で起こったスパイ絡みの事件について語った。
有名人たちのしくじり経験談を通して「失敗しないための教訓」を学ぶ本番組。この日は、日曜劇場『VIVANT』で公安監修を務めた元公安警察の勝丸円覚さん(仮名)が、素顔を隠して登壇。実際の経験を元に、スパイのリアルな実態と手口を明かした。
授業を聞く”学園メンバー”は、オードリーの若林正恭、平成ノブシコブシの吉村崇、ハライチの澤部佑、日向坂46の上村ひなの、JO1の佐藤景瑚、横山由依。
現役時代は警視庁公安部に所属し、外国の日本大使館で情報収集活動を行ったこともあるという勝丸さん。スパイは創作だけの話ではなく、日本でも実際にスパイ絡みの事件が起こっているという。
一例として、勝丸さんは日本のサラリーマンがロシアのスパイに狙われた「大手通信会社社員情報漏洩事件」を紹介。これは、大手通信会社に勤務していた社員が社内サーバーに不正にアクセスし、営業秘密の情報などをロシアの外交官に渡した事件で、この社員は2019年2月に逮捕されている。
この事件のはじまりは、社員が新橋の飲み屋街で「このあたりでおいしい店を知りませんか?」と声をかけられたことだった。一般的に、スパイはターゲットに接触したあと「お礼がしたい」と言われ名刺交換をするのだそう。そして後日、軽いお礼で喫茶店に誘われ、その後も会食などで関係を深めるのだという。
勝丸さんによると、スパイの手口として、最初は小さな情報の見返りに2000〜3000円ほどの少ない謝礼をターゲットに渡すという。信頼関係を築いた後は、会う店が徐々に高級化。より機密性の高い情報を要求するようになり、謝礼も高額な商品券や現金などにグレードアップしていく。
気づいた頃には既にズブズブの関係になっており、断ろうとしても、外交官の外交特権から「私は逮捕されないけど、あなたはお金をもらっているので大変なことになる」と脅されてしまう。さらに、スパイはターゲットについて事前に調べているため、自宅や実家を把握していることをほのめかしてくるという。
事件で情報を渡した社員は逮捕され、懲役2年執行猶予4年の有罪判決に。80万円の罰金を科され、会社は懲戒処分でクビとなった。
スパイに情報を渡してしまった人間の末路として、勝丸さんは「日本では警察が民主的な組織なので、暗殺にはならないですけども、外国の事案だと暗殺もありえる」と告白。また、半永久的にスパイに利用されるケースもあるといい、日本人がスパイに30年間利用されていた事件も明かされると、出演者らは衝撃を受けている様子だった。
さらに授業の後半では、勝丸さんがマスクとサングラスを取って素顔を公開する一幕も。