楽譜に書いてあるのは「ピアノのフタを開け、4分33秒経ったら閉じる」という指示が。一音も奏でずに終了する摩訶不思議な楽曲が存在することを知り、芦田愛菜とサンドウィッチマンの伊達みきお、富澤たけしが衝撃を受ける場面があった。
3月9日に放送された『サンドウィッチマン&芦田愛菜の博士ちゃん』(テレビ朝日系、毎週土曜よる6時56分〜)では、世界的バイオリニスト・葉加瀬太郎をゲストに招き、「葉加瀬太郎のスゴすぎ音楽ミステリーSP」と題した企画を実施。これまで番組に出演してきた、大人顔負けの知識を持つ“博士ちゃん”たちの中から、音楽好きの子どもたちが集まり、葉加瀬にさまざまな疑問をぶつけた。
「世界で一番簡単な曲」として番組内で紹介されたのは、音楽の価値観を覆す、一風変わった楽曲だった。富澤が「我々でも弾ける簡単な曲」はないのかと尋ねると、葉加瀬は「ちょっと楽曲と言っていいのかわかんないんだけど…」と迷いつつ、1952年にアメリカの音楽家、ジョン・ケージによって作曲された「4分33秒」という曲について解説。「楽譜を開くと、ピアノのフタを開けなさい。4分33秒経ったらフタを閉めなさいと書いてある。それで1曲なんですよ」。葉加瀬の言葉に、伊達は「無音ですか!?」と驚いて尋ねた。
伊達の言う通り、「4分33秒」は無音の楽曲。番組では同曲がコンサートホールで披露された際の映像も公開された。曲の間、ピアニストがしたことは、フタの開け閉めのみ。第2楽章、第3楽章のスタート時にはフタを開けるのだが、鍵盤に指一本触れることなく、時間だけが過ぎていく。そして4分33秒の演奏が終了すると、ピアニストは客席に向けておじぎをし、拍手を浴びながら退場。スタジオでVTRを見ていた伊達から「拍手する!?」とツッコミが飛んだ。
その後、芦田が「知らなかったら戸惑っちゃいますよね」と困惑気味にコメントすると、伊達も「私だけ聞こえてないの?みたいな」と同調。さらに同曲のCDも発売されていることが紹介され、芦田とサンドウィッチマンのふたりはますます困惑するばかりだ。そんななか、葉加瀬は「音楽は世の中にあふれていると。みんなで沈黙して耳をすませば、音楽は聴こえてくるはずだというのが、メッセージなんですよね」と作曲家、ジョン・ケージが同曲に込めたメッセージを解説。伊達が「深いのかな…?」と首を傾げると、葉加瀬は「音楽とは何か?という哲学ですよね。4分33秒という曲は、そこに最終的に決着をつけた曲ということ」と補足した。
するとここで、“博士ちゃん”たちから「ご飯を食べている音も音楽なのでは?」との意見が挙がった。伊達から「音楽だと思う?」と問われた芦田は「音楽とは何か?っていうことなんじゃないですか?普段、メロディーを紡ぐことを音楽だと言っているけど、一音でも音を楽しむことが音楽の始まりなんじゃないかっていう」と自身の考えを展開。伊達は感服した様子で「確かにその通りです」と頭を下げ、富澤も「音を楽しむね。なるほどな」「勉強になるな〜」と納得していた。
『サンドウィッチマン&芦田愛菜の博士ちゃん』はABEMAで見逃し配信中。