高級腕時計シェアリングサービス「トケマッチ」運営会社の元代表が、業務上横領の容疑で指名手配された事件。同業者は、そのビジネスモデルに無理があったと指摘する。
【映像】“少し怪しいと…” トケマッチ元社長の人物像
トケマッチは、オーナーが腕時計を運営会社に預け、運営会社が利用者にレンタルするサービス。腕時計がレンタルされたかにかかわらず、オーナーには手数料として「月額預託料」が支払われるシステムだった。トケマッチ事業は「シェアビジネスの寵児」としてメディアでも紹介され、運営会社であるネオリバース元代表の福原敬済容疑者(42)も、自ら取材に応じてきた。かつてテレビ番組の取材に対し、以下のように語っていた。
「一般的なシェアリングサービスの仕組みでは、レンタルされなければ(お金は)入ってこない。弊社がお預かりする形の対価として使用料を支払っている」(福原容疑者のテレビ番組での発言)
同社のビジネスモデルについて、高級時計レンタルの先駆けである「カリトケ」の小山力也代表が、「今回の会社と全く違うと明確にして欲しい」と強調した上で取材に応じた。カリトケはトケマッチより2年早い、2019年にサービス開始している。
小山氏は「ビジネスモデルを見て、無理があるなと正直思っていた」とトケマッチについて語る一方で、「時計自体のマーケットでいうと、基本的には右肩上がり」だとも説明する。トケマッチは個人から時計を借りるが、カリトケは業者の在庫から仕入れや貸し出しを行っているという。扱う商品の価格帯も異なり、カリトケは100万円前後の商品が月額2万円ほどで借りられるサービスが中心だが、トケマッチでは150万円以下の時計で月額3万9800円、150万円以上の時計については、月額料金を要問い合わせとされていた。
「単価が我々からすると、かなりリスキーな水準以上の時計を集めていた。もちろん高額商品も取り扱いたいが、1本300万円、500万円とかなると、我々も非常に大変な思いをしないといけない」(カリトケ小山力也代表)
しかしながらトケマッチは、預ける時計の価格帯によって、受け取れる預託金額も変動するシステムを取っていた。例えば市場価格が120万円のロレックスは、預託金が月々1万9900円。150万円以上になると、さらに預託金が上乗せされるとしていた。また昨年末にはキャンペーンを打ちだし、年利15%の高利回りをうたっていた。
「時計レンタルサービスのイメージが悪くなるのは非常に悲しい」(カリトケ小山力也代表)
(『ABEMA的ニュースショー』より)