3月15日(金)都内にて格闘ドキュメンタリー番組「格闘代理戦争-THE MAX-」一回戦が行われ、青木真也推薦選手の中谷優我が田嶋椋推薦選手の松岡拓に判定勝利。試合後に青木は「感動した!独り立ちする力はついた。これからは一人で頑張れ。あとは秋山(成勲)が面倒を見ます」と中谷に異例の監督放棄をつきつけたが、この発言の真意を青木本人に訊いた。
前日の抽選会で青木は中谷を評し「番組内でも言ったように彼は(格闘技に)向いていない。その気持ちは全く変わってないです。(勝たせる)自信もないし、実力もない。そこで彼が殻を破って勝ち上がっていくことに物語があるんじゃないですか。彼は何もない。だから負け確定です」と話していた。
この前代未聞の監督による“負け確”発言に奮起したのか、中谷は3分3R休むことなくテイクダウン&グラウンドコントロールで攻め続け、松岡から番狂わせの勝利を掴んでみせた。試合直後に開口一番「感動した!」と中谷の勝ちっぷりを賞賛した青木だが真相はこうだ。
「しょっぱい試合をしたらアントニオ猪木が謙吾に勝ったリョート・マチダを喰らわしたみたいに、試合が終わったらぶん殴ってやろうと思ったんですよ。でも思った以上に頑張って、いい試合をしていたから素直に感動しちゃいました。途中で組技から逃げられて、やられると思っていたから、最後までやりきったのは大したもんでしたよ」
ただ中谷の奮闘を評価する一方、「お前はいつまで人の名前を借りてやってるんだよ」と、事あるごとに自分の名前を出す中谷への物足りなさも。監督放棄の通告は「試合前もそうだったけど、ずっと俺の名前を出してばっかりだし、俺が色々発言することでしか試合が注目されない。それが監督の仕事かもしれないけど、代理戦争に出て試合しているのはお前なんだから、それじゃダメだろ。どうやったら注目してもらえるかは、いい加減てめえで見つけろ」という想いから発せられたものだ。
準決勝で中谷はイゴール・タナベ推薦選手のトミー矢野と対戦することになっているが、青木は監督継続について「やるかどうか分からないですね。続ける気はない」と断言。さらに勝ち残ったチームの顔ぶれを見て「他がダメすぎ。格闘代理戦争は競技じゃなくて番組だって言っているけど、あいつら勝つことしか考えてないじゃん。数字を持っている秋山・平本蓮が敗退して、誰が見出しになるようなことを言えるんだよ。番組存亡の危機だよ」と警笛を鳴らした。
青木の監督継続も含め、今回の「格闘代理戦争」は何が起こるか予測不能だ。