当たった瞬間に顔面が横に弾け飛び、次の瞬間、前にグニャリと崩落。「一瞬で終わった、すぐ担架だ!」と実況が絶叫した衝撃のバックブローKOに戦慄が走った。
3月17日に東京体育館で開催された「RISE ELDORADO 2024」。山田虎矢太(シーザージム)と大森隆之介(EX ARES)の試合は、開始わずか2分での衝撃KO決着。大森の振り抜いたバックブローが山田のアゴを捉えて失神。無敗のSB王者をRISEランキング4位が粉砕。担架送りにした。
左拳の骨折により1年3カ月の長期離脱を余儀なくされた大森の復帰戦は、現在キャリア全勝中と勢いのあるSB日本スーパーバンタム級王者の山田。13勝のうち9KOの圧倒的なKO率を誇り、RISE参戦でも有井渚海にノックアウト勝利するなどRISEルールにも即対応した21歳のホープだ。
試合序盤、ゆったりとしたスタンスでローやコンパクトな左を見せる大森。山田も軽くプレッシャーをかけるが、大森が前に出てヒザを2発で間合いを潰す。フレームで勝る大森は、山田の前進に合わせるように左ジャブ、左ロー、素早くスイッチするなど、どこか余裕すら感じさせる試合運びだ。
ABEMA解説の宮城大樹は「無敗の虎矢太選手が(多くの人は)勝つんじゃないかと思いますけど、隆之介選手のミドルレンジでのパワーとスピードなら凌ぐものがある」とコメントすると、さらに「この距離でずっと戦えばKOの確率もある」と断言。
その直後、大森はフレームを活かし遠い距離からの右ストレートでグラつかせると、追撃の左、左ヒザを繰り出してコーナーに追い詰める。ロープを背にした局面でも大森のパンチがことごとく当たる。そんな展開のなか衝撃の一撃が生まれる。
山田が大森の左蹴りをキャッチ、強引に前に出た瞬間を狙い済ましたように高速回転のバックブロー。捉えた瞬間に「グシャっ」という音が響くと、山田は前から崩れ落ちて失神。衝撃のKO決着となった。
実況の小出アキラアナウンサーは「一瞬で終わった、すぐ担架だ!」と絶叫。ファンも「見えてねえ」「すげええ」「えぐいって」「何が決まった?」とあ然。その後も「完全に入りのタイミングが盗まれていた」「(RIZINの)堀口のKOを思い出した」とバックブローの衝撃に反応した。
宮城は「(バックブローの前に)右フックと右ストレートが効いていた」と語るが、最後の一撃は横っ面が吹き飛ぶような衝撃。糸が切れたように山田がグニャリと崩れ落ちる完全失神KOだった。
勝利した大森は1年間、ケガの悔しさとジムの仲間の成長を見守るだけだったもどかしさを吐露しつつ「戻ってこれて良かった」。K-1で軍司泰斗と戦う同門の門口佳佑について「20日ウチの大将がフェザー級で統一戦をします。絶対勝ってくれると思うので」とエールを送った。
一方、敗れた山田は自身のSNSで「失神KO負けでした。まだまだ弱かったです。本当に沢山の応援ありがとうございました。強くなれるようにまた一から頑張ります。」と無事を報告。ファンに再起を誓っている。