住民が反対するなか計画が進む「西成中華街構想」、一体なにが起きているのか。「西成のドン」の異名を持つ人物に話を聞いた。
【映像】西成のドンが経営「中国カラオケ居酒屋」
大阪華商会の林伝竜氏は中国出身。西成で不動産業を営み、中国人向けに賃貸マンションを貸したり民泊をおこなうなどしている。西成の商店街で中国カラオケ居酒屋を繁盛させたことで、林氏は西成のドンと言われているという。
林氏が思い描く西成中華街構想は、西成の商店街に中華料理店や雑貨店など約120店舗を出店、2025年のうちに中華街へと変えようとする計画だ。その理由を尋ねると、林氏は商店街について「昔死んでいた」として「盛り上がってほしい。(観光の)人来てほしい」「20年ずっとここにいる。この街(西成)に恩返ししたい」と自身の想いを語った。
しかし、地元の住人に話を聞くと「中華街にするというのは反対」「ここだけ日本じゃなくなり、ここだけが中国になるような感覚になる」「地元の人が来れなくなったら、それはそれで寂しいかな」「シャッター商店街になるよりかはいいかなと思うんですけど、ここに来たら何してもいいと思う人が多いんですよ。西成っていうだけで無法地帯。私らはちゃんと街を守ってきていたのに、健全な商店街として残ってもらいたい」といった否定的な声が上がった。
飛田本通商店街振興組合の村井康夫理事長は「中華街のイメージになるようなものが全くない」と、地元商店街は中華街構想に断固反対の一方で「シャッター街になりかけていた。地域としては全くお金を落としてもらえない状況。ひとつの誘因要素として中国カラオケが大きく貢献したことは事実だと思う」と、林氏の功績を認めた。
しかし「神戸や横浜みたいな中国料理の専門店が出てくるならば『中華街』と思えるけれども、出てきたのは中国カラオケばっかし」「名称として、中華街となんで言わなあかんねんという話」と、歩み寄れる部分はほぼないと明言。
林氏は「ベトナム料理とかインド料理とか、別の国の料理も商店街に入ってきてほしい」「まだ(構想は)止まってない。進めたい」と意気込みを語った。
(『ABEMA的ニュースショー』より)