33歳という若さで血液のがんとも言われる白血病を患うタレントのネイボールに、ABEMAエンタメはインタビューを実施。抗がん剤を服用しながら、毎月8万円かかる薬代を稼ぐために働く生活をしているネイボールの希望に迫った。
毎月処方される薬などの医療費は家計を圧迫している。ネイボールは、20歳でがん保険に入ったが、25歳の時に、生活費が足りなくなり解約したそうだ。現在は、医療費が一定額を上回った場合に差額が返金される「高額療養費制度」を利用しているが、それでも生活は苦しいという。
「毎月薬だけで(自己負担で)8万707円ぐらいかかりましたね。5年後、10年後、15年後、薬を飲み続けないといけないですし、プラスアルファ年に何回か骨髄検査っていう。自分の骨髄を調べる検査があるんですけど、それも別でお金がかかったりとかするので。キツイですよ。だって8万ですよ。自分が稼いでいる給与から8万抜かれたら残るものめっちゃ少ないじゃないですか。なので正直辛いですし、先のことをめっちゃ考えちゃいますね。長く生きたいけど生きるにはお金を稼がないといけない。お金を稼いだらそれを薬代に使う。自分の寿命をお金で買っているような感じなので、複雑というか…」
「妻とはよく旅行とか行っていたんですけど、今年からちょっと控えようとか。お互いの誕生日プレゼントとか、前までは2万円ぐらいだったんですけど、5千円ぐらいにしようとか、スーパーとか入ったら安い食べ物とかあるじゃないですか。そういうものを買ったりとか、色々計算しながら生活していますね」
数年前から芸能の仕事のほかに、清掃の仕事も行っているネイボール。当然、白血病で入院している間は休んでいたが、退院後自宅療養となってからは再び働き始めたそうだ。
「1週間かちょっとぐらいで仕事復帰したんですけども、やっぱり『本当だったらもうちょっと休んでもいい』って妻に言われたり、職場の人にも言われたんですけど、自分の中で焦りとか不安がすごくあったので、退院しても本当に1日も早く職場に戻って仕事して稼いで、自分の薬代払わなきゃっていうプレッシャーがあったので、結構早いスピードで仕事復帰しましたね」
それでも月収の4割は医療費に消えていくと言う。さらに、今後体調が悪化すれば医療費が増える可能性もあり、自身の命とお金を天秤にかけることもあるそうだ。
「もしかしたら数年後、(抗がん剤の)効果が効かなくなっちゃうこともあるんで、そうなったら他の薬も使って効果が効くように検証しながらしていくっていう形ですね。前回1日3錠分をもらってその額(約8万円)だったんで、次4錠もらったらもっと多分いくんですよ。金額が10万とか。僕の現状ですよ。多分10万とか15万の間ぐらいの金額が毎回出始めたら、(治療を)諦めると思います。毎月仕事に行って給料をもらって、15万円っていったら半分以上(治療に)お金取られちゃうんで。そうしたら何も残らないじゃないですか。だからもう、苦しいですよね。違う意味の死というか。自分の寿命をお金で買っているような感じなので複雑というか」
現実から目を背けてしまう時もある中、心の安定剤となっているのが日本人の妻の存在だ。
「もう妻がいなかったら多分死んでます。本当に。妻と一緒に目標を決めたんですけど、僕が妻より長生きするっていう1つの目標はお互い作って。小さな目標なんですけど。絶対お前より長生きするからなみたいなっていう感じの、なんかそういう話もしたりしますね。」
妻は、抗がん剤治療を行いながら働きに出るネイボールの無事を祈り、“お守り”を作っていた。カバンに付いている“お守り”を見せてくれた。
「これヘルプマークです。これは妻が調べてくれたんですよ。僕みたいなのは健康に見えると思うんですけど、これ付けるとによって周りにいる人たちが
助けてくれたりとかしてくれるってことですね。これはもう妻が書いてくれました。妻の方が字が綺麗なので。漢字難しいですよね、これ。『“慢性骨髄性白血病”です。発熱、倦怠感、貧血があります。怪我をして出血をすると止まりにくいです』って書いてありますね」
白血病が見つかるきっかけを与えてくれるとともに、闘病生活を支えてくれている妻に、してあげたいことがあるそうだ。
「妻の夢を叶えることが僕の夢。昔から子どもが欲しいって言ってたので。自分がこういう病気になっちゃって、子どものことは正直考えられなかったこともあります。子どもより自分のことでいっぱいいっぱいになってたんで。でも、妻の夢も叶えてあげたいですし、1人ぐらいだったら僕もどうにか頑張れるっていう自信じゃないんですけど、頑張れると思えたんで。その辺はもう踏ん張ってやっていこうと思ったって感じですね。ただ、やっぱり色々と子どものお金もかかるとは覚悟はしているんですけど、せめて1人くらいは子どもできて家族ができて、遊園地でもどこか一緒に遊びに行きたいという思い出とか作りたいですね」
(『ABEMA NEWS』より)