6日前の対戦相手変更、さらに上位ランカーが刺客に決定するドタバタ劇も、フタを開けたら左ボディ一撃の衝撃ワンパンKO。試合後には「同階級のベルト4本獲り。無敗で引退」など壮大な目標を語った。
3月31日に名古屋国際会議場で開催された『3150FIGHT vol.8』で、IBF世界ミニマム級王者・重岡銀次朗(ワタナベ)が、ジェイク・アンパロ(フィリピン)と対戦し2ラウンド衝撃的なKO勝利。数日前に対戦相手が変更されるアクシデントなどがありながら、ボディへの強烈な一撃で2度目の防衛を果たした。
銀次朗はキャリア10勝無敗(うち8KO)、対するアンパロは同階級ランキング6位で世界タイトル初挑戦。アルアル・アンダレス(フィリピン)が6日前に体調不良を理由に対戦をキャンセルしたため、ランキング的には格上のアンパロが対戦相手に名乗りを上げた。
1ラウンド開始から、銀次朗が右の拳を相手に合わせながらの心理戦。銀次朗が強いプレッシャーをかけながらボディに入れると、アンパロも得意の右ボディをカウンターで合わせる。ラウンド後半にも銀次朗の打ち終わりに、アンパロがオーバーハンド気味の変則的右ボディを見せる。
2ラウンドも銀次朗が、右で相手の拳をコツコツと殴り距離を詰めながら強烈な左ボディ。相手も嫌がり露骨に後退するが、銀次朗のテンポは変わらない。ラウンド開始1分、右で距離をはかりながら、左ボディを叩き込むと時間差でアンパロが腰から落ちてダウン。しゃがみ込むと苦悶の表情を浮かべながら、復帰出来ずそのままゴングを聞いた。
ファンから「この階級でこのパンチは凄い」「破壊力エグい」の声。解説の亀田大毅は「(アンパロは)多分上だと思ったんでしょう。ステップインがバリ速いですね…」と解説後、スローリプレイでボディに強烈な左拳が突き刺さる銀次朗の“ワンパン葬”に思わず「うわっ…」と驚きの声を上げた。
同じくこの日の解説・内山高志も「手数は少ないが、その間の目や身体のフェイントがあってのたった一発のボディだった。素晴らしい」と圧巻の勝因を分析して絶賛した。
試合後のインタビューで銀次朗は「(急遽対戦が決まった未知の選手なので)相手を見ていこうと思ったが、自分もまさかボディ一撃で倒せるとは思わなかった」と自身も驚いた様子。
「結果的にワンパン・ボディで倒せたが、相手はパンチがあり危なかった。(今後も)冷静に油断しないで勝ち続けたい」と気を引き締めつつも、試合後には「4団体統一と、日本の世界戦連続防衛記録13を超えて20、30と防衛を重ねて負け無しで引退したい」と野望を明かした。