紅麹菌の中には「シトリニン」というカビ毒を生産するものもあるというが、小林製薬ではその遺伝子を持たない紅麹菌を使用していたとし、摂取との因果関係などを確認中だ。
国立医薬品食品衛生研究所と厚労省、小林製薬の合同会見では、厚労省担当者が「健康被害のあった製品のロットに、予定していない物質のピークを認めた。理化学検査機器によって分析したところ“プベルル酸”というものが同定された」と明かしている。プベルル酸とは、青カビから産生される天然化合物で、毒性が非常に強いのが特徴だ。厚労省によると、このプベルル酸が原因の可能性が一定程度あるとしつつ、原因の特定には至っていない。
日々更新される被害状況に、紅麹成分入りサプリメントを服用していた人は、不安を募らせている。摂取していた50代男性は「小林製薬という有名メーカーだったので買った」と、その理由を語る。小林製薬は「アイボン」や「のどぬ〜るスプレー」「消臭元」「ブルーレットおくだけ」などのヒット商品を多く抱えている。
そんな有名製薬会社で、なぜここまでの問題が起きたのか。医療ジャーナリストの石田雅彦氏は「考えられるシナリオは3つある」と指摘する。
「ひとつはカビ毒(シトリニン)が出来てしまった。もうひとつは、紅麹が突然変異して、新たなカビ毒を作り出すようになった。最後は、工場の製造ロットに有害成分が紛れ込んだ」(医療ジャーナリスト・石田雅彦氏)
紅麹は、米に紅麹菌を混ぜて発酵させたもので、サプリ以外にも一部の食品や調味料に使用されている。小林製薬がサプリ3種の自主回収を発表すると、紅麹原料の供給を受けていたメーカーなども、続々と自主回収を発表した。一方で、小林製薬でない紅麹の使用や、「赤い見た目」の食品を製造・販売しているメーカーには風評被害も出ている。
石田氏は「紅麹自体に罪はない。改めて自分が一体何を飲んでいるか、成分表などで確認する必要がある」と警鐘を鳴らしている。
(『ABEMA的ニュースショー』より)
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