脱炭素社会を実現するカギとされる「水素」。『ABEMA Morning』は、そんな「水素」を使って調理するレストランを取材した。
世界で初めて水素調理を用いた水素焼レストラン「icHi」。このレストランでは、調理の時に、水素コンロを使用する。水素ガスによって料理にどんな効果がもたらされるのか、シェフに話を聞いた。
「(プロパンガスと違い)水素ガスには匂いがないので、食材に匂いがつくことがない。食材本来のポテンシャルを最大限引き出せる調理法になっている。理科の実験でもやったように、H2(水素)とO2(酸素)が一緒になると水(H2O)になる。それがコンロの上に連続して起こるので、表面はしっかり焼けるが水分がぬけにくいので、ふんわりジューシーに焼きあがる。水蒸気が発生している状態なので、火の通りが非常に速い」(水素焼レストラン「ichi」の小林シェフ)
通常のガスコンロに比べ、火力は3割程度強いので調理時間が短縮できるほか、水素ガスが燃焼すると水蒸気が発生し、食材を包み込むので蒸し焼きのような状態になる。水分が抜けにくいことによって、食材の焼き縮みが少なく仕上がるという。
このレストランは美味しさだけでなく、環境面でも注目されている。
「水素調理」は、プロパンガスの代わりに水素ガスを用いることによって二酸化炭素が発生しないというエコな調理法だ。
このレストランを手掛けたのは、水素の利活用のコンサルティングと、水素コンロの製造・販売を行う「H2&DX社会研究所」。店内では水素レストラン普及のため、キッチンの周辺設備を紹介するショールームの役割も担っていると、株式会社H2&DX 社会研究所代表取締役の福田峰之氏は話す。
「あくまで僕らは背中を押す役割しかなくて、世界の飲食シーンから二酸化炭素をなくしたいが、僕らだけではできない。僕らは機材を提供する店が増えることにより、どんどん二酸化炭素が減る未来をつくりたい。お客さんがここにいらっしゃったことで、二酸化炭素が減る。自分が食べることによって二酸化炭素が減っている。その世界観を一緒に味わってもらいたい」
水素焼レストラン「ichi」では、使用する電気も水素を燃料にして、発電した燃料電池を使用しているとのこと。また、こちらのレストランは4月12日(金)オープンするという。(『ABEMA Morning』より)