トーナメントに緊急参戦した普段はトレーナーのタイ人選手が、剛腕2発でラウンド残り0秒の衝撃KO! 大番狂わせの“劇的ブザービーター”に戦慄が走った。
4月21日に後楽園ホールで行われた「RISE177」の漢気トーナメントの準決勝で、パヌワット・TGT(タイ/TARGET)と髙橋亮(TRIANGLE)が対戦。TARGET GYMのトレーナーという肩書ながら、緊急参戦を決めたタイ人ファイターが、衝撃の“ラウンド残り0秒”で1ラウンド3分のゴングとほぼ同時に相手を沈めて見せた。試合時間は1ラウンド3分8秒だった。
王者・中野椋太と稲井良弥のRISEウエルター級王座戦が、稲井の左裂孔原性網膜剥離の診断に伴って消滅。緊急開催されたスーパーフェザー級の「漢気トーナメント」。
出場選手全てが緊急参戦だが、髙橋は膝の大怪我から2年ぶりの試合復帰、パヌワットは「TARGET GYM」の選手兼トレーナー。兵役義務のブランクなどRISEのリングではじつに5年ぶりの復帰戦となった。
実戦から遠ざかっていたパヌワットだが、ただのトレーナーではなかった。ゴングとともに強烈な右ミドル、ヒザと合わせると長い足から繰り出す左のサイドキックなど蹴りは多彩。一方の髙橋も、強い左ローを連発しながらジワジワと圧をかけ反撃、離れ際の右も当てる。
残り45秒、髙橋がローで削りながら前に出る展開が続く。やや下がり気味のパヌワットだが、いきなりスイッチが入ったように右ミドル、奥足の右ロー、さらにノーモーションの右ストレートの波状攻撃。
負けじと髙橋もボディを中心に打撃をまとめるが、一気にスピードアップしたパヌワットがオーバーハンド気味の右から左フックを振り抜くと、髙橋は後方に崩れ落ち頭を強打。あわやロープ外に吹っ飛ぶ勢いで倒れた髙橋は、必死で立ち上がろうとするが、頭からガクンと力尽きてここでゴングが打ち鳴らされた。
トレーナーという肩書からのサプライズ勝利にファンは「なんでトレーナーやってるの?」「めちゃ強いじゃん」「パヌワット株急上昇」「タイ人のエースにしろ」と衝撃を受けた様子だった。