【WWE】RAW(4月29日・日本時間30日/カンザスシティ)
ベルトを失い、さらに冷酷さを増した皇帝の無慈悲な足攻めでリングに響いた断末魔の叫び。プロレスの試合では異例の“あわやタオル投入”シーンにファンも騒然となった。
問題のシーンが起こったのはグンターとエグゼビア・ウッズのシングルマッチでのひと幕。先日の「レッスルマニア」で長年保持していたインターコンチネンタル王座を失い丸腰になったグンターが、ウッズの足を破壊。過去イチの残虐ぶりを発揮した。リング上で苦しむタッグパートナーの姿に耐えられず相棒のコフィ・キングストンがタオルを握るシーンが注目を集めた。
日本のクラシックなプロレスを現代に受け継ぐ“一人四天王プロレス”とも評されるグンターは、相手が一撃でフラフラになる世界一エグい逆水平などを連発してウッズを追い込むが、この日はさらに敏捷性が売りのレスラーにとっては命ともいえるヒザを集中攻撃。加えてグンターのトップロープから放ったボディプレスをウッズがヒザで防いだことでさらにダメージが蓄積してしまう。
グンターは足を引きずるウッズに対し片エビ&アキレス腱固めの合わせ技でヒザへのさらなる集中攻撃。ロープにあとわずかというところで中央に戻す「ジャンボ鶴田式拷問」とグンターのドS感満載の攻撃にウッズの悲鳴が会場に鳴り響くとファンからも「これはキツイ」「やばい死んじゃう」「容赦ないな」「足が取れちゃう」と悲痛な叫びが相次いだ。
苦しむウッズを見たグンターはさらに腰を落とし完全ホールド。さらに苦悶の表情を浮かべる姿に、いつもはタッグパートナーとして横にいるコフィが耐えきれずWWEの試合で異例のタオル投入を決意。
白いタオルを握り放り投げようとするとウッズは「やめろ〜投げるな」とこれを拒否。仲間の漢気に一瞬、躊躇したコフィはリング外にタオルを放り投げタオル投入を回避。この珍しいシーンにファンからは「ボクシングじゃないんだ」「WWEにタオル制度ってあるんだっけ」と驚きの声も聞かれた。
このエンドレスなヒザ地獄をもがき苦しみながら何とか耐え抜いたウッズだったが、再びグンターはリング中央に戻し今度は「STF」の体勢からヒジの連打と、さらにアゴをガッチリ固める変形STFに移行。これにはウッズも観念しタップアウトで試合終了。
これまでの強さに加えて、相手を完全に屈服させる暴力性が加わった無冠のグンター。ウッズのヒザのダメージは大きく、今後、対戦相手に過剰な制裁を加える恐ろしい存在として再浮上しそうだ。(ABEMA/WWE『RAW』)