【WRC】第5戦 ラリー・ポルトガル(5月9日・日本時間10日/デイ1)
5月9日に、いよいよ始まったWRC(世界ラリー選手権)の第5戦。長い歴史を誇るここポルトガルの地で、初日から世界最速ラリーカーの激しいアクシデントシーンが見られた。
初日となるデイ1に唯一行われたSS1は、「スーパーSS」とも言われるスペシャルなステージ。大西洋に面したリゾート地でもあるフィゲイラ・ダ・フォスには、ジャンプスポットやドーナツターンエリアを含む、全長2.94キロの舗装路のコースが特設されている。
コース途中に設置された緩衝帯をグルッと一周まわらなくてはならないのがドーナツターンエリアだが、各マシンはなるべくスピードを落とさないよう、ドリフトしながら回ることになる。そして、複数設置されたこの緩衝帯のひとつでアクシデントは起こった。
今回このポルトガルで、トヨタチームはシーズン最多となる計8台のマシンでWRC2に挑んでいるが、サミ・パヤリはそのうちの1台を担当。今季すでに出場経験もあるフィンランド人の若手ドライバーだ。
しかし、パヤリのマシンは広場にある緩衝帯を左側から時計回りでまわろうとした際に、外にふくらみ過ぎてしまう。そのため、今度はフロントが内側に入り込み過ぎ「オーバーステア」状態になってしまい、マシンの右側を緩衝帯にヒット! その瞬間、ボディ右側がタイヤごと浮いてしまい、横転しそうになった。
なんとか体勢を立て直したパヤリは、もうひとつの緩衝帯をターンして、次のストレートへ入っていったが、シーンの映像を見ると、あきらかにマシンのパーツがはずれかけており、ひきずっているのがわかる。
このシーンは関係者にとってもショッキングだったのか、WRCの公式X(旧Twitter)でも取り上げられ、「Intense start for Pajari right now(パヤリは激しいスタートを切った)」という言葉が添えられ、反響を呼んでいる。
マシンが緩衝帯にぶつかった際、ドスッ! という衝撃音とともに、観客たちの驚きの声も聞こえるが、その後も走り続けるパヤリに対する声援も聞こえてくる。
(ABEMA『WRC 世界ラリー選手権 2024』/(C)WRC)