【WRC】第5戦 ラリー・ポルトガル(5月11日/デイ3)
世界ラリー選手権(WRC)「ラリー・ポルトガル」で、ディフェンディングチャンピオンが派手なクラッシュに見舞われる衝撃的なクラッシュシーンが起きた。
大会2日目を終えた時点の順位は、カッレ・ロバンペラが1位、セバスチャン・オジエが2位、そして日本人ドライバーの勝田貴元が3位と、トヨタチームが1-2-3を独占。2年連続の年間チャンピオンを獲得しているロバンペラは、絶好調のままデイ3に突入したが、ここにきて伝統のコース、ポルトガルの魔物に襲われることとなった。
SS(スペシャル・ステージ)11「モンティム」は、丘や林道を走るグラベル(未舗装路)のコース。走行距離は短いものの、前半は直線が多めで平均スピードが速く、後半になるとタイトなコーナーが続く、テクニカルな構成となっている。
2023年のWRCドライバーズ・チャンピオンにして、ポルトガルでもここまでトップタイムだったロバンペラが、このSS11でクラッシュ。中継映像が急に切り替わり、ロバンペラが車内から這い出ようとしている映像、続けざまにマシンが横になった様子が映り、解説陣からも悲痛な叫びがあがった。
車体はコースアウトして、左側の森林エリアに入ってしまっている。軽く登りになっていた右コーナーをこえた瞬間にロバンペラのマシンはグリップを失ってしまい、流れた車体の左側がコース横の樹木にヒット。そのまま巻き込まれる形で後ろをむきながら横転しつつ、停車したようだ。
このSS11はコースに飛び散る砂利の量が多く、かなり路面が滑りやすくなっていたようで、その後もアクシデントが続出。ここまでWRC2のトップタイムだったオリバー・ソルベルグ(シュコダ)も、ロバンペラがクラッシュした箇所からすぐ先のところで、4回転するほどのクラッシュを喫した。
幸いロバンペラはコ・ドライバーとともにマシンから脱出しており、身体は無事だったが、この後マシンは走行不可能となり、衝撃のアクシデントは順位を大きく入れ替えた。ロバンペラは全日程を終え、31位完走と苦い結果に終わった。
(ABEMA『WRC 世界ラリー選手権 2024』/(C)WRC