【プレミアリーグ】マンチェスター・ユナイテッド 0-1アーセナル(日本時間5月13日/オールド・トラッフォード)
レジェンドOBたちから批判殺到だ。マンチェスター・ユナイテッドに所属する本来ボランチのカゼミロがアーセナル戦で、最終ラインに怪我人続出というチーム事情により過去3試合と同じくCBでプレー。しかし、失点シーンにおける怠慢な動きにより、痛烈なバッシングに晒されている。
ゴールレスで迎えた20分だった。自陣ペナルティーエリア手前でカゼミロは、GKアンドレ・オナナにボールを下げると、右サイドに流れていった。ただ、動き自体がゆったりしていたうえ、FWカイ・ハヴァーツがプレスにきてパスコースを消されたため、オナナは左サイドに流れてロングボールを蹴った。
このロングボールをアーセナルが処理。DFベン・ホワイトが前線に浮き球のパスを送ると、反応したハヴァーツが右サイドで抜け出す。ハヴァーツはゴール前にクロスを上げ、最後はカゼミロの後方から前に出たFWレアンドロ・トロサールが見事に合わせて先制ゴールを奪った。
リプレイ映像を見ると、オナナがロングボールを蹴った後にカゼミロは、ゆったりとした速度で前に上がっていた。この押し上げの遅れで最終ラインが揃わず、オフサイドかと思われたハヴァーツがオンサイドになり、マンチェスター・ユナイテッドは失点を喫した。
この一部始終でカゼミロは、有効なパスコースを作れず、ボールが前に出ても押し上げず、そして後ろから飛び出してくる選手に注意も払っていない。いわば“ミス3連発”を犯していた。本職CBではないとはいえ、流石に批判が殺到。とくに怒り心頭なのが、英『Sky Sports』で解説を務めたマンチェスター・ユナイテッドのレジェンドOBたちだ。
元イングランド代表FWのウェイン・ルーニーは、「カゼミロは怠慢だった。怠け者だ」と激怒。「オナナへのパスコースを作れていないし、ロングボールを蹴った後はチームメイトと一緒にプッシュアップする必要があった。トロサールの動きにも気付いていなかった。結果的に罰を受けた」に語った。
また、元イングランド代表DFのガリー・ネビルも同調。「初歩的なエラーを犯した。押し上げるべきタイミングで、ジョギングしていたんだ。カゼミロの経験を考えれば、ボールを奪われたタイミングで素早く押し上げるべきだとわかるはずだ。CBは彼にとって簡単ではないポジションだ」と批判した。
さらに、元アイルランド代表MFのロイ・キーンはもっと辛辣。「カゼミロはCBだとプレミアリーグで通用しない。押し上げを怠って失点した。60ヤードや70ヤードではなく、10ヤードや15ヤードの話だ。ちょっと足を動かすだけだった。今日の試合で決定的な瞬間となってしまった」とコメントしている。
ルーニー、ネビル、キーンはいずれもマンチェスター・ユナイテッドで主将を経験したレジェンド。愛するクラブの後輩の怠慢プレーに我慢ならなかったようだ。
なお試合は、このゴールが決勝点となってアーセナルが1-0で勝利。残り1節の段階で、アーセナルが首位に立つ(勝点1差のマンチュスター・シティは1試合未消化)一方、マンチェスター・ユナイテッドはプレミアリーグにおけるクラブ歴代ワーストの8位と苦しい位置にいる。
(ABEMA/プレミアリーグ)