【WRC】第5戦 ラリー・ポルトガル(5月12日/デイ4)
世界ラリー選手権(WRC)で、濃霧というラリーカーにとって最悪なコースコンディションのなか、恐怖を超越したかのような激走をみせた現役最強ドライバーが絶賛されている。
伝統のラリー・ポルトガルは、コースのほぼ全域がソフトグラベル(未舗装路)という特徴を持つ。路面は砂利や砂で非常に滑りやすいうえ、最終日のデイ4は、朝からコース一帯に濃霧が発生していた。
この日SS(スペシャル・ステージ)20「ファフェ」を最初にスタートしたのは、トヨタ(TGR-WRT)のカッレ・ロバンペラだ。一昨年、昨年の2年連続年間王者でありながら、ここポルトガルでは、前日に派手なクラッシュを演じてデイリタイアとなっていた。
スタートと同時にマシンに搭載された一人称視点のカメラ映像が映ると、前方は霧で真っ白。解説は「視界100mくらいですかね」と言い、ほとんどコースの先が見えないにもかかわらず、ロバンペラのマシンは加速を増していく。そのような状況下で、実況が中継映像のメーターを見て、「今、一瞬170と映りました」と、ひと言。
常人には考えられないようなシチュエーションだが、アップダウンしながら左右に曲がるコースを、見事な運転技術で切り抜けていくロバンペラ。現地で解説をするピエール北川氏も「カメラの表面に水滴みたいなものが付いているようにも見えるので、路面も少し湿っているかもしれません」と、さらにコンディションの悪さをたたみかける。
前日にポイントの獲得がなかったとはいえ、ロバンペラも勇気で恐怖心を克服したのか、気合の入った走りで、最後のジャンプスポットも難なく超えてフィニッシュした。
ロバンペラの気迫の走りに対して、視聴者も「こりゃ見えねぇ」、「何も見えないw」、「怖いね。前見えないじゃん」、「怖すぎる」などと驚愕のコメントを送っている。
(ABEMA『WRC 世界ラリー選手権 2024』/(C)WRC)