【写真・画像】「“プール”“〇〇園”と検索すると裸の画像が…」「ストーキングして“チャンスをうかがう”人が出てきたら…」園のブログの悪用リスクとは?  1枚目
【映像】恐怖! 上半身裸ではしゃぐ女の子の写真が99円…
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 幼稚園や保育園がかわいらしい行事の思い出としてネット上にアップした幼児の裸の写真。それが悪用されていることに気づいた一人の母親が独自に調査を開始、文部科学省を動かした。

【映像】恐怖! 上半身裸ではしゃぐ女の子の写真が99円…

 自らも幼少期に性被害を受けたという母親に話を聞いた。

 「いろんな園のブログなどを見たが、5~6歳の女の子たちの上半身裸の写真が載っているものもあり、ショックだった」

 こう話すのは、5歳の子どもをもつ七味れんさん。子どもの幼稚園を探すため、園の公式HPやブログをチェックしていたところ、裸で遊ぶ園児の画像が顔や裸もそのままにネット上に掲載されていたという。

 「5~6歳の女の子たちがパンツ一枚でプール遊びやボディペインティングをしているものや、全裸のものも。男の子の全裸もあった」

 幼いころ性被害に遭った経験がある七味さん。裸の画像に違和感を覚え、さらに調べていくと、驚くべきサイトを見つけた。

 「“プール”“〇〇園”とネットで検索すると、(園児の裸の画像が)ボロボロ出てくる。特にショックを受けたのは、子どもの裸が載っている写真に園の名前と135円など値段がついているサイトだ。完全に顔も出た状態の子どもがプライバシー的に危険な状態にあり、さらに値段が付いていることに恐怖を感じた」

 中には、上半身裸の女の子がはしゃぐ様子の写真に99円という価格が添えられていたものも。

 「写真自体を永久保存されて誰かが悪用し続けることも怖いが、現地でストーキングして性犯罪のチャンスをうかがう人が出てこないとは言えないため、とても危険な状況だと思った。デジタルタトゥーとして全世界に発信してしまうことは本当に恐ろしい」

 保護者向けに保育園や幼稚園のブログに載せられていた画像が悪用されるという事実。危機感を募らせた七味さんは、園児の裸の画像を掲載している園が全国にどれくらいあるのか、自ら調査に乗り出した。すると、111もの園が該当した。

 「自治体にメールで『こういうリスクが高いので消すように勧告をお願いできませんか』と連絡した。その結果、消してくれた自治体もけっこうあったが、一切返事がなく、その写真が載ったままで何の対応もしてくれなかったところもそれなりにあった」

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 個人の力では限界がある。そう思った七味さんは、オンラインでの署名活動を始めた。

 「『保育園、幼稚園での幼児の裸(の画像)を載せないように、こども家庭庁は各自治体、園に通達してください』という内容で署名を集め、10740名の方から署名をいただき、そちらを(こども家庭庁に)提出しに行った」

 七味さんの活動が功を奏し、今月7日、こども家庭庁と文部科学省は全国の保育園、幼稚園に子どもの裸の画像を掲載しないよう通達を出した。

 「すごく嬉しかった。一人ひとりの市民の声がちゃんと国に届くんだと。ただ通知があったからといって、それが実際に現場できちんとやっていただけるかは別問題だ。通知に気付かず、いまだ載せている園に対しては国の方から個別で注意するなど徹底した方法で子どもたちの人権を守ってほしい」

 スマホの普及などによって気軽に撮影・公開ができるようになった画像。幼稚園や保育園だけではなく親がネット上に子どもの写真をアップする時にも悪用の危険があることを知ってほしいという。

 「『うちの写真も危ないんじゃないかしら』と危機感を持ってもらえたら嬉しい。子どもの裸はただ可愛らしいだけじゃなく、性犯罪者が収集するとてもリスクのあるものだともっと知られてほしい」

【写真・画像】「“プール”“〇〇園”と検索すると裸の画像が…」「ストーキングして“チャンスをうかがう”人が出てきたら…」園のブログの悪用リスクとは?  3枚目
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 小児性被害などについて、日本の教育・認識は遅れているのだろうか?

 3児の母でハーバード大学医学部准教授の内田舞氏は「日本に一時帰国した際に小学3年生の長男が引いていた」と振り返った。

 「アメリカでは小児性被害・性加害は『法的にも絶対にダメなもの』と扱われており、メディアやアニメでも子どもの裸を見る機会がない。そのためか、小3の長男を連れて帰国した際に一緒にコンビニに行ったら、お菓子売り場で『うわっ!』と引いていた。長男が見たお菓子のパッケージにはセーラー服のような格好の非常に豊満なアニメキャラクターが描かれていたのだ。やはり感覚的に『これはダメなもの』になっている」

 さらに内田氏は「やはり我々も晒されながら、慣れてきてしまって『これが何を示しているのか』について考えなくなる。メディアや広告に投影されるものは社会の中で共有されているものであり、それを私たちが視聴することで認識が増強されてしまう。今回のお菓子のパッケージは『子どもへの性的な目線はOKなんだよ』というメッセージが現れてしまったものではないか」と指摘した。

 慣れや無意識が根底にあるとすると解決は容易ではない。

 内田氏は「取り締まるためのルールや法的な規制があってもよく、感覚をアップデートするために大人の学び直しも必要だろう」と解決策を提示した上でアメリカにおける「同意教育」について説明した。

 「アメリカでは幼稚園の時から同意教育が行われる。同意と聞くと“性的な同意”をイメージするかもしれないが、そうではなく『人間として自分と相手の意志や体をリスペクトして、互いは違うという前提において、互いが気持ちよく一緒に過ごせるように同意を持つ』ということ。印象的だったのは、私の息子が幼稚園で『これ貸して』と頼まれた時に、『今使ってるからダメ』と言ったこと。私としては『貸してあげなよ』と思ってしまったが先生は『物を誰かに渡す時は自分が使ってもいいんだという安心感を築くことが大事。安心感さえあれば、誰かに渡しても壊されるわけでもなく、必要な時には返ってくるとわかる。返答はYES・NOのどちらでもいいのだ。そしてNOと言われた際にもそのNOを受け入れ、ムーブオンすればいい』と話してくれた」
(『ABEMAヒルズ』より)

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