車間距離はわずか指2本分。こすってもいない、見事な縦列駐車。この車を運転していたのはマレーシア人女性で、コインパーキングのシステムを知らなかったのか、このようにして止めたのだという。しかし、一体どうやって駐車したのか。普段から縦列駐車をすることの多いタクシー運転手に話を聞くと「この状態では怖くて入れられないですね」「正直どうなっているのか分からないですね」と語った。
タクシー運転手でも考えられない見事な駐車テクニック。そこでABEMA的ニュースショーでは、3名の異なる自動車のスペシャリストに見解を聞いた。YouTuberで月の輪自動車教習所教官の石塚勝也さんは、「イギリスのロンドンに行った際、ホテルの前が縦列駐車のタイプで、当てながら出て行ったのを実際に見たことがある。向こうの方は基本的には車のバンパーは軽い接触を吸収して本体を傷つけないというもの。心のどこかでは当ててもいいよって方が多いとは言われている」とした。
ミリ単位で車を並べることを得意とする中古車販売員の井上英行さんは、「外国の方は前から止めることの方が多い。この駐車場にも前から入ってきたと思う」としつつ「駐車場に入って真っすぐに行って右(奥の駐車場)に入る。その状態でバックしてほしい。左にいっぱいハンドル切って真っすぐ。そして右に(ハンドルを)いっぱい切ってバック。それを何回も繰り返す」と、具体的な駐車方法を推察した。
机上の空論ではあるが、どうやれば駐車できるのか、ABEMA的ニュースショーが計算。今回の車の最小回転半径は、カタログ数値でおよそ5.3メートル。つまり駐車場に真っすぐ入ってきたとして、車体を90度回転させるには、2.65メートルが必要。指2本分ということを考えると、仮に前後で5センチ幅で切り返しするとなると、単純計算で最高53回ハンドルを据え切りすれば可能で、さらに前進もバックもせずに切り返しを繰り返すことで、数センチ程度なら真横にスライドできる可能性もあるという。
石塚さんは「カローラだったら35度ぐらいは前輪が傾く。数センチ動けば理論上は多少は動いているはずなので、何回も何回もやると、多少なりとも横にはスライドしている」と、見解を述べた。
今回のような状況は、なかなかやろうとしてもできるものではない。結局、駐車した運転手本人も車を出すことができず、投稿者に“車を下げてくれ”と要求。地元の業者にジャッキアップしてもらうなどして、およそ3時間後にこの難局を脱したそう。
交通事故防止コンサルタントの上西一美さんは「運転技術的にはすごい技術。パニックになると人間はああいうことをしてしまうんだなと。事故防止という話からすると、あり得る事故だ」と警鐘を鳴らした。
(『ABEMA的ニュースショー』より)
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