5月15日にエスコンフィールドHOKKAIDOで行われた北海道日本ハムファイターズ対埼玉西武ライオンズの一戦で、西武・村田怜音が、“極端な大回り走塁”でアウトを回避した場面について、NPB審判員の坂井遼太郎氏が解説した。
1-6、日本ハム5点のリードで迎えたこの試合の4回表・西武の攻撃、1死満塁の場面で、7番・佐藤龍世の放った打球はセカンド・石井一成へのゴロに。この打球を処理した石井は、二塁へ向ってスタートを切っていた一塁走者の村田怜音が外野方向へと大きく膨らんで走る形でタッチアウトを回避したことから、石井はそのまま一塁へと送球。打者走者の佐藤をアウトに。その後ボールは2塁へと送られたが、村田はセーフとなり、3塁走者が生還し西武に1点が入った。これに対して日本ハムベンチは、村田の走塁が大回りすぎるため、アウトではと指摘することとなったが、審判の出した結論は「セーフ」というもの。そのため、この試合の直後にはネット上の野球ファンの間でも、このプレーの判定を巡って様々な意見が巻き起こることに。
5月17日放送の『バズ!パ・リーグ』(ABEMA)では、改めてこのプレーについて紹介することとなったが、VTRを確認した野球解説者のG.G.佐藤氏は「3フィートとかあるんじゃないですか?」と、村田がアウトにならずに二塁到達が認められたことを疑問に感じている様子を見せることとなった。しかし、NPBの元審判員である坂井遼太郎氏によると、「走者が走路から出たらアウトと思っている方がいると思うんですが、実は間違いで、あくまで3フィート離れるというのは、タッグ行為、(即ち)走者をアウトにしようとする行為があった時に、3フィート離れていたらアウトというのがルール。このプレーに関しましては、タッグ行為、アウトにするような行為がなかったので、審判員としてはセーフというジャッジしかできなかった」と、走路から3フィート以上離れていればその時点で自動的にアウトということではなく、あくまで、“走者をアウトにしようという守備側の選手の動きがあったと認められた場合”に、それを走者が回避しようと走路から3フィート以上離れていればアウトになるということを解説した。
つまり、このプレーにおいては、セカンドの石井がグラブを出してタッチに行ったり、走者に向かってステップをしたりするなどの素振りを見せていれば、村田はアウトになったということだ。この説明を聞いたG.G.佐藤氏は「いやー、知らなかったですね。これ勉強になりましたね。もう3フィート離れた時点でアウトだと思ってました。(アウトにしようという)行為がなきゃいけないんですね」とコメント。必ずしも選手たちが把握しきれているわけではないルールであることが明らかとなった。
(ABEMA『バズ!パ・リーグ』)