いよいよ日本時間6月2日に迫る今シーズンのチャンピオンズリーグ決勝。1996-1997シーズン以来2度目の優勝を目指すドルトムントと、2シーズンぶり15回目の王座奪還を目指すレアル・マドリードが、イングランドの聖地・ウェンブリーで激突する。
欧州ナンバーワンクラブを決めるCL決勝では、数多くの伝説のゴールが生まれてきた。そのうちの1つは、当時22歳のリオネル・メッシが決めたヘディングシュートだ。2009年5月27日に開催されたバルセロナvsマンチェスター・ユナイテッドで生まれたこのゴラッソは、15年経った現在でもサッカーファンの記憶に強く刻まれている。
2008-2009シーズンのCL決勝、バルセロナvsマンチェスター・ユナイテッドは、イタリアのスタディオ・オリンピコ・ディ・ローマで行われた。開始9分、MFアンドレス・イニエスタのパスを受けたFWサミュエル・エトーがトゥーキックでゴールを決めて、バルサが先制に成功する。
すると、迎えた70分にエースが見せ場を迎える。相手のロングボールをハーフウェイライン付近で奪ったDFカルレス・プジョールがドリブルで攻め上がると右サイドに展開。これを受けたエトーがクロスを上げるがDFにクリアされると、MFチャビがボールを拾った。
チャビはしっかりとゴール前の状況を確認し、ボックス右角付近から狙いすましたクロス。ファーサイドに待ち構えていたメッシが身体を仰け反らせながら思いきりジャンプしてヘディングシュート。ユナイテッドのGKエドウィン・ファンデル・サールは完全にタイミングをずらされており、ボールはゴール右隅へと吸い込まれた。
169cmの小さなメッシが決めた大きな追加点。着地のタイミングでスパイクが脱げたエースは、すぐに拾って立ち上がり歓喜のパフォーマンス。満面の笑みを浮かべながらティエリ・アンリと抱擁すると、そこを中心に歓喜の輪が広がった。
このゴールを再投稿したチャンピオンズリーグ公式Xのコメント欄には、「これは素晴らしい」「史上最高のヘディング」「サッカー界で2番目に最高の瞬間。1番はメッシのワールドカップ優勝」「メッシは衝撃を与えた」「世界最高の選手」「マジックショーだ」「若き日のメッシが飛んだ」「壮大だ」など、15年前のゴールを賞賛する反響が相次いだ。
メッシのこのゴールが決定打となり、バルセロナは2005-2006以来となる3年ぶり3回目となる優勝。ジョゼップ・グアルディオラ監督就任1年目にしてラ・リーガ、コパ・デル・レイとあわせて3冠を達成した。またメッシもこの2009年にバロンドールとFIFA最優秀選手をいずれも初受賞している。
2023-2024シーズンのCL決勝でも、再び歴史に残るゴールは生まれるのか。目が離せない。
(ABEMA/WOWSPO/チャンピオンズリーグ)