いよいよ日本時間6月2日に迫る今シーズンのチャンピオンズリーグ決勝。1996-1997シーズン以来2度目の優勝を目指すドルトムントと、2シーズンぶり15回目の王座奪還を目指すレアル・マドリードが、イングランドの聖地ウェンブリー・スタジアムで激突する。
欧州ナンバーワンクラブを決めるCL決勝では、数多くの伝説のゴールが生まれてきた。そのうちの1つが、スタジアムが震撼したユヴェントスのFWマリオ・マンジュキッチが見せた胸トラップからのオーバーヘッドシュートだ。
2016-17シーズンのCL決勝は、イタリアの雄ユヴェントスとスペインの白い巨人レアル・マドリードが激突。ウェールズ・カーディフのミレニアム・スタジアムでのファイナルは、ユヴェントスは1995-96シーズン以来となる3度目の優勝、レアル・マドリードは12度目で連覇を目指す戦いとなった。
20分にはレアル・マドリードのFWクリスティアーノ・ロナウドが右足で合わせて先制点。しかしユヴェントスも27分、スーパーゴールで試合を振り出しに戻す。
ロングフィードで抜け出したDFアレックス・サンドロがボックス内へダイレクトで中央に折り返すと、FWゴンサロ・イグアインが胸トラップから浮き球のパスを送った。このボールに反応したマンジュキッチは、少し重心から後ろに流れたボールを胸トラップでコントロールすると、相手2人に寄せられながらオーバーヘッドでシュート。この予想外の超絶フィニッシュにはマドリードのGKケイラー・ナバスも為す術なく、見事にゴールネットが揺れた。
現地実況が「ファンタスティック! ブリリアント・ゴール!」と思わず叫んだゴラッソに、スタジアムのボルテージが一気に上がると、マンジュキッチも耳の横で手を広げるパフォーマンスを披露。胸のエンブレムを叩きながら感情を爆発させた。
しかし、その後の試合は完全にマドリードが支配。61分、64分、そして90分に追加点を挙げた白い巨人が、4-1で勝利してCL連覇を達成した。
過去4回のファイナルと同じくまたしてもビッグイヤーに手が届かなかったユヴェントスだったが、翌シーズンも含めてCL3連覇を果たす“最強”レアル・マドリードを脅かしたのは事実。マンジュキッチの諦めない姿勢が生んだオーバーヘッド弾は、サッカーファンの喜怒哀楽が詰まったゴールとして歴史に刻まれている。
アメリカ衛星テレビ局『CBSスポーツ』が選んだCL決勝ゴラッソ・ランキングでは、このマンジュキッチのオーバーヘッドは3位。ちなみに1位はジネディーヌ・ジダンのボレー(2001−2002シーズン)、2位はガレス・ベイルのオーバーヘッド(2017−2018シーズン)だった。
はたして、今シーズンのファイナルでも再び歴史に残るゴールは生まれるのか。目が離せない。
(ABEMA/WOWSPO/チャンピオンズリーグ)