【写真・画像】3日間計266キロ走って僅か0.2秒差!世界最速ラリーで過去最大級の大逆転劇 「ラリーとは言えないような路面状況だった」まさかのV逸に名ドライバーも“呆然” 1枚目
【映像】最終盤までリードも僅か0.2秒差“大逆転劇”の瞬間

WRC】第6戦 ラリー・イタリア・サルディニア(5月30日~6月2日)

 世界ラリー選手権(WRC)は第6戦を迎え、イタリアのサルディニア島を舞台に激しい戦いが繰り広げられた。特に最終ステージでの大逆転劇は、長いWRCの歴史でも稀に見るドラマとなった。

【映像】“まさか”0.2秒差で大逆転優勝シーン

 トヨタ(トヨタ・ガズーレーシング WRT)のセバスチャン・オジエは、競技2日目デイ2を終えた時点で、首位だったヒョンデ(ヒョンデ・シェル・モービス WRT)のオィット・タナックに対して17.1秒のリードを築き、最終日となるデイ3に望んだ。

 この日は、4本のSS(スペシャル・ステージ)が行われ、最終SS16はトップ5タイムの記録者にボーナスポイントが与えられる「パワーステージ」となっている。そのため、多くのドライバーが気合を入れて臨んだが、特に最終ランとなるオジエより前の走行順だったタナックは完璧な走りを見せ、見事、その時点で2位となるタイムを記録していた。

 もちろん、オジエも負けじと果敢な走りを見せる。ステージ後半では他のマシンでは見られないほどハードなブレーキを踏むなど、限界までチャレンジしているようにも感じられたが、タナックのタイムから8.8秒遅れでのチェッカーとなってしまう。結果、総合でも0.2秒遅れで、タナックが大逆転勝利となった。

 ヒョンデチームのスタッフが映像に映されると、誰もが大喜びであちこちから歓声が聞こえる。すでにクルマを降りていたタナックは、総合結果を見た後、マシンのルーフ上で立ち上がって雄叫びをあげた。対照的にトヨタチームのスタッフの様子といえば、腕組みをしたまま沈黙してしまっている。

 「ラリー・イタリア・サルディニア」16ステージのトータル走行距離は266.12キロ。これだけの距離を走って、そのタイム差が0.2秒というのは異例のことだ。ラリーではクラッシュやトラブルなどアクシデントが多いため、ちょっとしたことでタイムさが大きくなることから、これほどタイムが接戦になることは非常に珍しい。

 どうやらオジエはコース終盤でパンクに見舞われていたようで、走行後のインタビューでは「ラリーとは言えないような路面状況でした。本当に残念」と語っている。ここサルディニアの路面は、表面が細かい砂で、その下には硬い岩盤がある。そのため、マシンが数多く走れば走るほど砂が散ってしまって路面状況は悪くなるため、走行順が後ろになるほど不利なコンディションとなる。

 これまでドライバーズチャンピオンを8度も獲得してきた大ベテランのオジエということもあって、マシンにトラブルでも起きないかぎり、誰もがオジエの優勝を信じて疑わなかった。しかしこのような状況で渾身の力を見せつけたタナックの走りは、見事としか言いようがない。

ABEMA『WRC 世界ラリー選手権 2024』/(C)WRC)

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