社会人になっても親元を離れず、実家の子供部屋に住み続ける中年の独身男性を指すネットスラング、「子供部屋おじさん」。いわゆる“こどおじ”について、世の中では揶揄の対象になっており、「1人暮らししたことがない=自立できないやつ」「いい年した大人がいつまでも親と暮らしているなんてみっともない」といった声が上がる。
しかし、円安・物価高の今、親子の同居によって経済的メリットを狙った“戦略的子供部屋おじさん”も。黒田さん(仮名・39)はサービス業の会社に勤めながら、愛知県の実家(持ち家)で父親(68)・母親(64・パート)と同居している。
「一時期、遠方に転勤になり一人暮らしをしていたこともあったが、戻ってきた。実家から会社まで約20分で通えるということで、そのまま続けている」
収入は、給与で24万円。親へ月3万円を入れ、投資に月12万円、そのほか保険や携帯、飲み代、雑費などは自ら払っている。投資を30歳から始めていたことで、現在の金融資産は2000万円。「なにかあったら対応できる準備はしているつもりだ」。
大学生1、2年の寮生活も含めると、黒田さんは一人暮らしを5年以上経験している。「良い経験になったんじゃないか。自炊もしていたので、自立できないわけではないと思っている」と語る。
親は「働いているならいいじゃないか」という反応で、自身も「今の会社は居心地がいい」と仕事を続けていく考えだ。また、将来的に家を出る意思については、「ない。このまま実家をもらう予定だ」と明かした。
こうした話にパックンは「アメリカでも珍しくない。自分の子供に自立する力はつけてもらいたいが、親が好きで、経済的な理由もあるのであれば、“自分が死ぬまでいていいよ”というスタンスだ。お金の扱い方についての本を書いたが、その中で“なるべく実家にいろ”と言っている」と語る。
フリーアナウンサーの柴田阿弥は「愛知県が地元だが、実家から通っている同世代の女性は普通にいる。晩婚化が進む中で、結婚するまで実家にいるというのは問題ないのではないか。経済的にも超合理的だと思う。ただ、恋愛面では“家事ができない”“家に来られるの?”という見られ方はあると思う」との考えを述べる。
港区議の斎木陽平氏は「黒田さんは投資もしていて、戦略的なやり方だ。賃金は上がらないのに、家賃や物価は上がっている中で、こうした“経済防衛”は流行っていくのではないか」との見方を示した。(『ABEMA Prime』より)
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