6月9日(日)国立代々木競技場第一体育館にて「RIZIN47」が行われ、梅野源治がヒジありのOFGキックボクシングルールで魚井フルスイングと対戦。MMA挑戦に向けたスタートとなる一戦は梅野の判定勝利という結果になった。
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RIZINでは「YAVAYだろ」発言をはじめキャラ先行型の印象も強い梅野だが、ムエタイではラジャダムナン・スタジアム認定ライト級王座、WBCムエタイ世界スーパーフェザー級王座など輝かしい実績を残している超本格派。ONEで活躍するムエタイファイターたちとも何度も拳を交えており、日本のムエタイ戦士の道を切り拓いた一人だ。
その梅野がMMAへの挑戦を決意し、その前段階としてMMAファイターの魚井とヒジありのOFGキックボクシングルールで対戦することになった。RIZINでもヒジありルールの試合を戦っている梅野だが、過去の試合でヒジ打ちは不発。今回こそ梅野のヒジ打ちがさく裂する場面が期待された。
結果的にはヒジ打ちで2度のダウンを奪って判定勝利した梅野だったが、1Rに奪ったダウンがバッティング絡みのもので、2R以降は魚井がタックルを繰り返すなど、すっきりしない試合に終わってしまった。
MMA挑戦に向けて幸先いいスタートとはいかなかった梅野だが、ムエタイの技術、特に首相撲がMMAに応用できることは他の立ち技ファイターたちが証明している。昨年大晦日「RIZIN.45」にYA-MANに勝利した平本蓮は梅野を臨時コーチに招聘して首相撲を学び、3月の「RIZIN LANDMARK 9」では久保優太が首相撲を駆使してMMAのキャリアで勝る高橋遼伍から番狂わせと言える勝利を収めている。
梅野自身も首相撲で魚井をマットに転ばせた場面もあり、その一端を見せた。まだ本格的にMMAの練習を始めて間もない梅野だが、ムエタイの技術がMMAに応用できる手応えを掴んでいる。
「自分もいざMMAの練習を始めてみて、首相撲の技術はかなりMMAで使えると思いました。レスリングと違って、首相撲は自分のヒジが入るスペースがあれば、それで相手の首をコントロールできるんですよ。もちろん僕も一からレスリングや組み技も練習していますが、首相撲が使えるからむちゃくちゃやりやすいです。実際の練習でMMAの選手を首相撲で投げたりもできますし、MMAの選手の方からも『首相撲は使えますね』と言われます」
立ち技からMMAに転向し、ムエタイの技術を取り入れて結果を出した平本や久保はムエタイ出身ではあるものの、立ち技でのキャリアの多くはK-1ルールで戦ってきた。ムエタイの技術レベルでいえば梅野の方が上回っている。それをMMAに応用できるかどうか。そこがMMAファイター梅野源治に試されるわけだが、梅野のMMA挑戦=国内トップレベルのムエタイスキルを持った選手のMMA挑戦だということを再認識して、彼の新たなチャレンジに注目したい。
文/中村拓己
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