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 2010年代を代表するアニメの1つとして、高い知名度を誇っている「〈物語〉シリーズ」。2024年7月6日より新作アニメ「〈物語〉シリーズ  オフ&モンスターシーズン」の配信が開始しています。

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〈物語〉シリーズ オフ&モンスターシーズン
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シリーズ最新作配信中

 この記事では、アニメ「〈物語〉シリーズ」の制作会社と、監督およびキャラクターデザインを担当しているスタッフの基本的な情報を、略歴や代表作、作風などと合わせて紹介していきます。

目次

  • 「〈物語〉シリーズ」とは?
  • アニメ「〈物語〉シリーズ」の制作会社は?
  • アニメ「〈物語〉シリーズ」の監督は誰?
  • キャラデザ担当は誰?
  • まとめ

「〈物語〉シリーズ」とは?

 吸血鬼に出会ったせいで、不死身に近い肉体を手に入れた主人公の男子高校生と、彼を取り巻く少女たちが巻き込まれる怪異――神や妖怪、幽霊などにまつわる事件を描いたジュブナイル伝奇小説「〈物語〉シリーズ」。人気小説家・西尾維新(にしお いしん)氏が、「100パーセント趣味で書かれた小説」と公言していることでも知られる代表作です。

 2006年11月に1冊目となる「化物語(上)」が刊行されており、最新刊は2023年5月に発売された29冊目の「戦物語」。ストーリーは最新刊発売時点で6部構成となっていますが、物語自体は第3部のファイナルシーズンで完結しており、この度アニメ化される第4部のオフシーズンはヒロインたちの後日談を、第5部のモンスターシーズンは阿良々木暦の大学入学後を描いた物語となります。

 それ以前のファースト、セカンド、ファイナルの各シーズンは、すべてシャフトの制作でアニメ化されていて、「化物語」「偽物語」「猫物語(黒)」「傷物語」がファーストシーズンに該当。セカンドシーズンは「〈物語〉シリーズ セカンドシーズン」のタイトルで放送され、「憑物語」「終物語」「暦物語」「続・終物語」がファイナルシーズンに当たります。

アニメ「〈物語〉シリーズ」の見る順番を解説!放送順・時系列順のおすすめを紹介
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アニメ「〈物語〉シリーズ」の制作会社は?

 「〈物語〉シリーズ」のアニメ作品を一貫して制作し続けているのが、株式会社シャフト。1975年の設立当初はアニメ作品の制作協力などを請け負っていましたが、1980年代にアニメ制作会社に転換、1995年の「十二戦支 爆烈エトレンジャー」からアニメの自社制作を始めた会社です。

 その後、2000年代になってガイナックスとの共同制作で「まほろまてぃっく」など複数のヒット作を世に送り出して人気を集めました。また、2004年に単独制作した「月詠 -MOON PHASE-」からは、新房昭之(しんぼう あきゆき)監督をはじめとするスタッフが制作に参加するようになり、エンドカードに毎回有名作家によるイラストを用いるなどの新たな作風を確立しています。

 2005年以降は新房監督の作品はすべてシャフトで制作されており、同監督の下で「ひだまりスケッチ」や「さよなら絶望先生」「〈物語〉シリーズ」「荒川アンダー ザ ブリッジ」「魔法少女まどか☆マギカ」といった代表作を生み出すことになりました。

 特に2011年制作の「魔法少女まどか☆マギカ」は記録的なヒットとなり、第16回アニメーション神戸賞作品賞・テレビ部門を受賞、ニュータイプアニメアワード2011では作品賞以下12部門を制覇、第15回文化庁メディア芸術祭アニメーション部門では大賞に輝くなど、極めて高い評価を得ています。

シャフト制作のアニメ「さよなら絶望先生」
シャフト制作のアニメ「さよなら絶望先生」

アニメ「〈物語〉シリーズ」の監督は誰?

 「化物語」「偽物語」「続・終物語」の3作品で監督を、それ以外の「猫物語(黒)」「〈物語〉シリーズ セカンドシーズン」「憑物語」「終物語」「傷物語」「暦物語」および新アニメシリーズ「オフ&モンスターシーズン」で総監督を務めるのが新房昭之氏。1961年生まれのベテランアニメ監督です。

 新房氏は1985年頃から「ダーティペア」などのアニメ作品に原画として名を連ね、1990年代に入ると「幽☆遊☆白書」や「NINKU -忍空-」といった作品の演出担当として注目されるようになりました。1994年の「メタルファイター▼MIKU」で初めて監督に抜擢されると、「それゆけ!宇宙戦艦ヤマモト・ヨーコ」「The Soul Taker 〜魂狩〜」「魔法少女リリカルなのは」などの作品で監督を務め、評価を高めていきます。

新房氏が演出を務めたアニメ「幽☆遊☆白書」
新房氏が演出を務めたアニメ「幽☆遊☆白書」

 そして2004年に総監督を務めた「月詠 -MOON PHASE-」以降、大半のシャフト作品に関わるようになり、「ひだまりスケッチ」や「さよなら絶望先生」、「〈物語〉シリーズ」といった代表作を手がけました。その後、2011年の「魔法少女まどか☆マギカ」で絶賛されたことから、日本を代表するアニメ監督の1人とも言うべき存在となっています。

 そんな新房氏の演出で特徴的なのが、キャラクターが空を見上げるような角度で顎を上げたまま振り返るシーンを多用すること。ファンの間では首の角度から「シャフト角度」、転じて「シャフ度」と呼ばれている構図で、新房監督によれば「キャラクターが棒立ちになるのが嫌で、普通に立っている画から外したい」とのことで始めた演出だそうです。

 シャフ度は「〈物語〉シリーズ」の「化物語」第1話の19分21秒、阿良々木暦(あららぎ こよみ)と戦場ヶ原ひたぎ(せんじょうがはら ひたぎ)の掛け合いのシーンなど、印象的な場面で描かれています。

「化物語」第1話の”シャフ度”(19分21秒ごろ)
「化物語」第1話の”シャフ度”(19分21秒ごろ)

 ちなみに「〈物語〉シリーズ」では、新房氏は全作品で構成やシリーズ構成も務めています。構成作家としての新房氏のスタンスは「原作者の言いたい事柄は原作者にしか分からない」「原作者が考えていることをそのままアニメにするのではなくて、あくまでも原作のファンが見たいと思えるようなアニメを作る」「原作者がファンの為に直々に作った様な構成にする」というもので、脚本会議には原作者に同伴してもらうことを心がけているそうです。

キャラデザ担当は誰?

 「傷物語」ではキャラクターデザインのみですが、それ以外の「〈物語〉シリーズ」全作品でキャラクターデザインと総作画監督を兼任しているのが渡辺明夫(わたなべ あきお)氏。アニメーター出身ですがイラストレーターとしても著名で、PCゲームなどでも原画家を務めている大物クリエイターです。

 そんな渡辺氏は1964年生まれ。アニメーション専門学校を卒業後、アニメ制作会社勤務やフリーランスを経て、現在はPCゲームメーカーのフロントウイングに所属しています。アニメーターとしては1999年の「それゆけ!宇宙戦艦ヤマモト・ヨーコ」から新房監督の作品に関わっており、総作画監督を務めた「The Soul Taker 〜魂狩〜」や「〈物語〉シリーズ」が代表作として挙げられます。2006年配信のアニメ「星空キセキ」では監督を務めたことも。

 一方、イラストレーターやキャラクターデザイナーとしての代表作には、OVA「ナースウィッチ小麦ちゃんマジカルて」キャラクターデザイン、PCゲーム「ぽぽたん」原画担当、アニメにもなったPCゲーム「グリザイア」シリーズの原画担当などがあります。また、「ぽよよん▼ろっく」名義でも仕事を受注したり同人誌を発行したりするなど、精力的に活動を続けている方です。

50分で〈物語〉シリーズがわかる特別総集編
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まとめ

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 以上、アニメ「〈物語〉シリーズ」の制作会社、監督、キャラクターデザインについて紹介しました。新作アニメ「〈物語〉シリーズ  オフ&モンスターシーズン」と合わせて、代表作を視聴してみてはいかがでしょうか?

※「メタルファイター▼MIKU」「ぽよよん▼ろっく」の「▼」は、正式にはベタのハートマーク
(C)西尾維新/講談社・アニプレックス・シャフト

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