アニメ『魔王軍最強の魔術師は人間だった』より、6月16日(日)に新宿ピカデリーにて行われた先行上映会のオフィシャルレポートが到着した。
『魔王軍最強の魔術師は人間だった』は、2016年2月より「小説家になろう」にて連載されている羽田遼亮氏による同名小説を原作としたアニメ作品。“魔王軍最強の魔術師”と言われながら実は人間の主人公・アイクが、人間であることを隠しながら魔族と人間の共生を目指す成り上がりダークファンタジーが描かれる。2024年7月よりスタートするTVアニメでは、メインキャストに福山 潤(アイク役)、立花日菜(サティ役)、伊藤 静(セフィーロ役)ら豪華声優陣が名を連ね、世界を変革するべく戦うアイクの成り上がりストーリーに注目が集まっている。
アニメ『魔王軍最強の魔術師は人間だった』先行上映会オフィシャルレポート
第1話&第2話の上映終了後、利根の挨拶があり、ほかのキャストも登壇。まずは第1話についての感想トークからスタートした。今回、ほぼ映像ができあがった状態でのアフレコだったようで、「アフレコから期間が空いているから、感慨深かった」と福山。石見は「(ダイロクテンは)新鮮な役回りでドキドキした」と語る。そこに伊藤からの「このギャップ!」というツッコミが。ダイロクテンは、魔王軍を率いる魔族の王にして最強の存在。穏やかな口調の石見とは雰囲気がだいぶ違うこともあっての一言だったようで、客席からも納得したような空気が感じられた。石見はそんな空気に恐縮しつつも「立派に演じられるように」と意気込みを語った。
第2話の感想で印象的だったのが、「男性を取り合う役を演じるのは初めて」と語った立花。アイクのことが大好きなサキュバスのリリスに引っ張られて、「(サティも)女性っぽくなっている気がする」とも語り、キャストが掛け合うことで相乗効果が表れていることを感じさせた。また、ジロンのことを「ブサイクさん」と呼んでしまうところも気になったよう。
利根は「令和の時代に……!」と言っていたが、最終的には「ジロンの外見が人間じゃないからいいのかな」というところで落ち着いていた。“取り合われる側”の福山は「悪い気はしません!」と会場の笑いを誘っていたが、実はアイクを取り合うのはサティとリリスだけではない。「ジロンもアイク様のことが大好きですから」と利根もアイク様争奪戦に参加する意思を示し、アイクのモテモテっぷりが感じられた。また、伊藤はリリスもセクシー担当ということで「立ち位置が取られちゃうと思った」とちょっとした不安も語っていた。ただ、リリスは明るいセクシー、セフィーロは大人なセクシーということで、棲み分けはできているのでは……というところで納得したようだ。
続いてのキャラクター紹介では、それぞれが自分の担当するキャラクターや演技について語った。福山は「(人間とバレないように)ドスを効かせて」演じたそうだ。利根は人間だとバレていない相手に対するときと、バレている相手に対するときの演じ分けに感激していたようで、福山も「褒めていただけるんですか!」と喜びの一言。実は数時間前まで福山は利根を同期だと思っており、上映会時点では後輩だったことが判明していたのでお茶目から来る一言だったようだが、先輩・後輩の和気あいあいとしたやりとりも感じられる一幕となっていた。
アイクに仕えることになるサティについて、立花は「表情がコロコロ変わる」「奴隷なのに警戒心がゼロなんです」との感想を述べる。サティは食べることが大好きで、早々に食事シーンが登場することから、「いっぱい食べてほしい」とまるで小さな子どもに対するように優しく語っていたのが印象的だった。伊藤が演じるセフィーロは「破壊が大好きで、大技ばかり出す」ところが印象的だったそう。魔族の中では唯一アイクの正体を知っているという役柄なので、「魔王様にバレるんじゃないか、バレないようにしなきゃと心配する“中間管理職”の板挟みからお色気に走っているんじゃないか」という新たな解釈を披露し、会場に笑いが起こっていた。
そしてダイロクテンはビジュアルこそ少女のようだが、「気を抜いたらやられてしまうんじゃないかという雰囲気を(声に)乗せたかった」と石見。石見としては改めて「(ダイロクテンと)共通点はあまりないけれど、演じてみたかったキャラ」と語ったが、その理由が「慕われたかったし、跪かれたりされる経験は人生でなかなかないから」だったそうだ。
そして利根が演じるジロンは、「リアクション要因」「真剣だけどふざけた顔」が特徴と福山。利根からは「目がつぶらで口元もかわいらしい」と反論が。ただし、「心の声がダダ漏れなんじゃないかというレベルで叫んでいた」ことから、作中のコミカル要因だと感じていたとのことで、「皆さんに笑っていただけるように演じた」と語った。実は利根は“ブタ鼻”を付けて司会に臨んだのだが、これは全部自分の意思やっていることだったそう。福山的には「ジロンは想像以上の活躍をする」そうだ。
ほかのキャラクターについては、アイクの育ての親・ロンベルク、リリス、そしてローズアリア王国の白薔薇騎士団団長・アリステアの話題が。ロンベルク役のチョーと福山は25年ぶりの親子役だったそうだが、チョーのアフレコ日に福山が病欠となってしまい、念願の再共演は叶わず……。福山はとても残念がっていた。
リリスについてキャスト陣の評価は「残念系セクシー」。伊藤は「すごく好き」なキャラクターで、特にジロンをライバル視してアイクを取り合うシーンや、セクシーなのに残念なところがたまらないとプッシュしていた。リリスは福山の「インテリジェンスにパラメータが振られていないんですよ」という言葉がまさにピッタリのキャラクターだ。また、アリステアについての評価は「キリッとしていて強そう」(立花)、「誇りを持った剣士」(伊藤)。それを聞いてか福山は「そういう人を惚れさせたい」とモテモテのアイクらしい一言をお見舞いし、ほかのキャストから「そういうアニメでしたっけ!?」とツッコまれていた。
また、アフレコについての話題では、ほぼ仮面を付けている福山に対し「口パクがなくてうらやましい!」と伊藤。福山は利根からも「アドリブ入れ放題でしたよね」と暴露され、「面白いジロンのためにこんな感じでアフレコしていたんです」と裏話をした。
その後公開された新PVは、福山が「包み隠さず盛り込むんですね」と語ったとおり、先々のエピソードの重要なシーンも見ることができる。立花が「シリアスに見えてお笑いシーンもたくさんあるんですよね」と作品全体の魅力を語り、伊藤さんは「セフィーロがメインヒロインだったのかな?」とセフィーロ周りのシーンに注目。たくさんのキャラクターが登場することに対し「収録がやかましかったんですよ。相性が良すぎてアフレコ前に息切れするくらい(笑)」と福山。今回のトークでも見えたキャストの掛け合いの面白さは、どうやらアフレコでも変わらなかったようだ。
放送情報やCD情報、原作情報をなどのお知らせのあと、最後のメッセージがキャストから届けられた。
利根健太朗
和気あいあいの現場で、楽しく収録した思い出がたくさん詰まった作品です。毎回次が気になる怒濤の展開なので、皆さんと一緒に楽しみたいです。
石見舞菜香
コミカルなシーンがあったかと思えばシリアスなシーンになったりと、見逃せない展開が待っています。ぜひどんどんSNSなどで作品を広めて、一緒に(作品を)盛り上げていけたらと思います。
伊藤 静
アイクがどうやって人と魔族の共生をしていくのかというシリアスな展開もあり、ジロンのブサイクって言ったりするような(笑)いろんなシーンが入り交じって、あっという間に駆け抜けてしまうのではないかと思います。セフィーロの色仕掛けがいつかアイクに通じること、そしてヒロインになれることも願っています。
立花日菜
見ていただいた方にはバッチリ伝わっていると思いますが、サティはア……の子です(笑)。そんなサティがいろんなことを頑張ったり、アイク様に仕えていくうちに人として成長する姿や、癒しの空間をお届けできると思います。サティは戦いませんが、彼女の活躍も楽しみに待っていてくださったらうれしいです。個人的に、リリスさんとジロンがメインヒロインのライバルかなと思っていたのですが、今日セフィーロさんがライバルとして出現したので、負けない、メインヒロインはサティだと思いながら最後まで見てください。
福山 潤
悪い気がしません(笑)。フルカラーの状態でアフレコを毎週させてもらえることが、改めてこんなに楽しいことなんだと感じられました。ちょうどみんなでアフレコをしていこう、通常のアフレコをしていこうという先陣を切った作品でもあります。一緒にセリフを作り、スタッフの方とひとつの作品を作ることの面白さを感じられました。それがひとつのセリフなどに熱量としてこもっていたらいいなと思って収録をさせていただきました。作品はできあがっているので、安心して見ていただけます。ぜひお近くの方にもお勧めいただいて、一緒に作品を共有していただけたら幸いです。
(C)羽田遼亮・アナジロ/双葉社・魔王軍最強の製作委員会