【WWE】SMACKDOWN(6月28日・日本時間29日/ニューヨーク)
元体操米国代表の肩書きは本物。過剰な露出が目立つコスチュームや大胆不敵な発言だけじゃない新人女子レスラーの実力者ぶりを改めて実感する、“元祖”「スペースローリング・エルボー」を超えた令和版は超高速回転からの異次元の動き。ファンからもその華麗さに歓声があがった。
圧倒的なパワーを誇るジェイド、ダーティで狡猾な戦いのキャンディス、元体操選手仕込みの華麗さとラフファイト上等の荒々しさのティファニーと、三者三様のスタイルを持つ対決は、互いの持ち味が炸裂し、まさに白熱の展開となったが特に試合中盤の攻防は見ごたえあるものだった。
最初に存在感を示したのはキャンディスだ、ティファニーの首をホールドしたままジェイドへ跳び蹴り、その勢いでスウィング式のDDTとトリプルスレットマッチならではの頭脳プレイで徐々にアドバンテージを握ってゆく。
この流れをすぐに断ち切り反撃に出たのは体操選手ならではの俊敏性が武器のティファニーだ。ジェイドのスピアーをひらりとかわし自爆を誘うと、くるくると前転しながらキャンディスを、あれよあれよという間に「アラバマ・スラム」の体勢で担ぎ上げ、コーナーポストに激突させる。
さらにティファニーの“体操仕込み”のムーブを象徴する、高速の側転からバック転に繋げるエルボー。実況の塩野潤二アナウンサーが「さすが2016年の米国代表チームです!」と紹介したとおり、元オリンピアンの爆発力あるパフォーマンスに会場も大興奮だ。
一方、日本のファンにとっても既視感があるムーブ。「でた!」「この技好き」「ローリングエルボー!」の声と同時に、当然ながら 「武藤敬司」「武藤さんの技です」「ロイヤリティ」など“スペースローリング・エルボー”の主、武藤氏の名を挙げる声もあがるが、その敏しょう性や回転の速さなど女子選手ならではの独自版といえるだろう。
試合はジェイド陣営のビアンカ・ベレアや、ティファニーと結託しはじめたナイア・ジャックスなどがリング下で睨みを効かせるピリピリムードのなか、それまで姿をくらましていたキャンディスの極悪パートナー、インディ・ハートウェルが突然乱入し、ジェイドを鉄柱へ叩きつけて分断に成功。
この混乱に乗じてティファニーがキャンディスに得意技の「プリティエスト・ムーンサルト・エバー」を決め激戦を制した。
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(ABEMA/WWE『SMACKDOWN』)