女子高生たちの熾烈なスクールカースト戦争を描き、中毒者を続出させた韓国ドラマ『ピラミッドゲーム』がSNS上で話題を呼んでいる。
『ピラミッドゲーム』は、同名の人気Webマンガが原作。韓国では2024年2月からドラマが放送され、壮絶さとスリリングな内容に韓国で社会現象にまでになった話題のドラマだ。
主人公のソン・スジは、軍人の父の仕事の都合で転校を繰り返してきた女子高生。いつものように「陰キャか不良にならなければそれでいい」とやり過ごそうとするも、今回転入したペクヨン女子高校は何やら様子がおかしい。スジの2年5組だけがほかのクラスから離れた新校舎に配置されており、物々しい雰囲気だ。そして毎月最終木曜日の5時間目に行われる、恐ろしい「ピラミッドゲーム」が始まった。スマホのアプリを用いて投票を行い、最下位のFランクになった生徒が1か月間いじめの標的になるのだ。
スジはFクラスになってしまい、そこから地獄のような日々が始まる。ゴミ袋を被せられたり、猟銃を向けられたり……クラスメイトによる卑劣な行いはとても残忍だが、スジは「私がこの現状を変える」と宣言してみせる。今作は重い題材を扱っているが、視聴していて気分が落ちすぎることなくスリリングな頭脳戦に没入できるのは、スジの凜とした姿勢によるところが大きいだろう。
スジを演じるのは、アイドルグループ・宇宙少女のボナことキム・ジヨン。Netflixドラマ『二十五、二十一』にも出演し、女優としての存在感を高め続けている。強い眼差しで改革を目指すスジを応援しているうちに、気づけば夢中になっているはずだ。現在28歳の彼女だが、全くの違和感のなさで女子高生役を演じていることにも驚く。
もう1人のキーパーソンが、チャン・ダア演じるペク・ハリン。チャン・ダアはアイドルグループIVEのメンバーであるウォニョンの実姉であり、彼女のスタイルの良さやふとした表情にはウォニョンが重なる瞬間も多い。ハリンは財閥家ペクヨングループの令嬢であり、学園の理事長の娘という絶対的な存在。気品をまとい、柔らかい口調でスジを心配するが、実は周囲を震え上がらせるような素顔を持っていた。これが初のドラマ出演とは思えないほどの存在感と巧みな演技力を放っているチャン・ダアのデビューの瞬間を、ぜひ見届けてほしい。
ちなみに作中には、ボナ、そしてウォニョンと同じ事務所に所属するボーイズグループ・MONSTA Xのメンバーであるショヌとヒョンウォンの話題が上がるシーンも。K-POPファンならば「おっ」と思う小ネタが挟み込まれている。
このほかNetflix『脱出おひとり島』シーズン2に出演したシン・スルギも、学年1位の委員長ソ・ドア役で俳優デビュー。ほかにもスジと共にゲームの終焉を目指して行動するミョン・ジャウン（リュ・ダイン）やアイドル練習生のイム・イェリム（カン・ナオン）など、個性豊かなクラスメイトの思惑が絡み合い、ハラハラが止まらない学園ドラマが生み出されていく。監督は『聖なるアイドル』のパク・ソヨン、脚本はチェ・スイ。またクリエーターにドラマ『今、私たちの学校は…』『今日もあなたに太陽を ～精神科ナースのダイアリー～』で知られるヒットメーカーのイ・ジェギュが参加している。
教師さえも当てにならない、過酷な状況下で奮闘するスジたち。傍観者にならず勇気を出して行動すること、暴力に毅然と立ち向かうこと……さまざまな世代の人々にとって、考えさせられる部分は大きいはずだ。
視聴者からも「ハマってるけど怖すぎ」「ハラハラ感たまらん」「人間不信になりそうになる」「人間の本質が見え見えで辛い」「まじで恐怖すぎるけどピラミッドゲーム面白い」「カースト1位のサイコパス演技が怖すぎて」「見始め怖かったけどめちゃくちゃおもしろい」などの声が寄せられている。
