【WRC】第7戦 ラリー・ポーランド(6月27日~30日)
難易度の高いハイスピードコースを舞台にポーランドで行われた世界ラリー選手権(WRC)。6月28日の競技2日目にフォードのグレゴワール・ミュンスターが、ビッグジャンプ直後にあわやリタイアかというシーンがあり、話題を呼んでいる。
「ラリー・ポーランド」の舞台は、北東部の町ミコワイキ。この町周辺に広がる広大な大地に19のSS(スペシャル・ステージ)が設定された。特徴はフラットな路面を活かしたストレートの多いステージ構成で、平均スピードはかなり高め。道幅は狭いが視界は広く、ジャンピングスポットも設置されている。
25歳のミュンスターは2019年からWRCに参戦しており、シュコダ、ヒョンデで活躍した後、2023年にMスポーツ・フォードへ移籍。2024年はWRC2カテゴリーからラリー1へとカテゴリー昇格を果たした気鋭のドライバーだ。SS4は競技2日目の3番目のステージだが、この日、ミュンスターは溢れ出る気合を見せつける。
SS4では、道幅の狭い上り坂を上がりきったところでジャンプスポットが設置されている。ここでミュンスターは、気合が入りすぎたのか着地に失敗し、ボディ右側をコース外の草むらへ落としてしまう。瞬間、草や砂ぼこりが巻き上がり周囲のギャラリーも驚かせたが、そこからなんとか強引にコース復帰して走行を続けた。
アナウンサーからも「おぉ~~~っと!」、「ちょっとこれキズついちゃってないですか?」などと驚きや心配の声が出たほどで、実際にマシンもダメージを負ってしまった。解説のピエール北川も「あのままリタイアしたかも」と語るほどだったが、なんとミュンスターはここSS4でトップタイムのミケルセンから3.1秒差の2位のタイムを叩き出している。
この日はその後も奮戦を続け、デイ2終了時点で6位につけ、最終日を終えて総合7位入賞を果たしたミュンスター。前戦「ラリー・イタリア サルディニア」では自身最高位の5位につけた若武者の勢いを象徴するシーンとなった。
(ABEMA『WRC 世界ラリー選手権 2024』/(C)WRC)