【WWE】RAW(7月1日・日本時間2日/ボストン)
なかなかチャンスが巡ってこなかったラテン系美女レスラーに訪れたタイトル挑戦。千載一遇のチャンスに激闘を繰り広げる最中、トップロープから脳天が突き刺さる危険度マックスの雪崩式の高速回転パワーボムを披露。「怖い技だ」「良く受けたな…」と禁断の技にファンがどよめくひと幕があった。
WWE「RAW」で、女子世界王者リヴ・モーガンとメキシコ系ユニットLWO(ラティーノ・ワールド・オーダー)ゼリーナ・ベガによるタイトル戦が行われた。ここ数週間、舌戦も含め感情的なやりとりが繰り広げられてきた両者だが、試合ではお互いの持ち味を活かす熾烈な好勝負を繰り広げた。
小悪魔的なキャラと積極的な誘惑作戦で勢力を広げつつあるリヴに対して、同じ女性としていけ好かない感情を爆発させるゼリーナ。この日はラテン女子らしい露出度高めのセクシーなリングギアをまとって気合い十分で登場。遂に念願のタイトル挑戦とあってこの日は並々ならぬ闘志をみせる。
開始から薄ら笑いを浮かべて舐めた態度を見せるリヴの荒々しい殺法に手を焼きつつ、トップロープでの攻防では師匠であるレイ・ミステリオ仕込みの「619」で足を狩るトリッキーな攻撃で反撃。さらにエプロンからの両膝弾「メテオラ」を放つ。
試合中盤にはムエタイ特訓を積んで身につけた多彩な蹴りやかかと落とし、完璧なムーンサルトプレスを決めるなど攻め込んだゼリーナだが、王者も丸め込みから低空での顔面蹴りで反撃。舌舐めずりから投げキッスと、まだまだ余裕の戦いだ。
ゼリーナにとって最大のチャンスはトップロープでの争いからの衝撃の一撃だ。雪崩れ式でのスーパープレックスを狙うリヴに対し、泥臭くボディパンチから鉄槌の嵐で動きを止めると、背後からくるりと回転して高速の「サンセットフリップ・パワーボム」を放つ。
技を食らったリヴは高速回転しながら脳天からマットに突き刺さる。ファンからも「これ危ない」「良く受けたな」「怖い技や」とどよめきが起こった。確実にカウントスリーを狙える決定的場面だったが、老獪な王者は場外に逃げ絶妙にフォールを回避した。
その後もゼリーナは正常型の「619」から回転式DDTなど決定的な場面を演出するがフォールはならず。リヴのタイトル陥落を目論むドミニク・ミステリオの余計な介入が裏目に出て、最後はリヴのフィニッシャー「オブリビオン」(ランニングネックブリーカー)を喰らい力尽きた。
タイトルまであと一歩届かなかったが、これまで派手なルックスに反して、レスラーとしては目立たない存在だったゼリーナにとっては大きなインパクトを残す好勝負だった。(ABEMA/WWE『RAW』)