アニメ「キングダム」の桓騎(CV:伊藤健太郎)といえば、“残虐非道のカリスマ”だ。その手段を選ばない姿勢に反発した信(CV:森田成一)に対して、桓騎が「お前が一番の悪党だ」と言い放つシーンに、深く考えさせられた視聴者も多かったようだ。
アニメ「キングダム」は、「週刊ヤングジャンプ」(集英社)で連載中の原泰久氏による累計発行部数1億部突破の大ヒット漫画が原作。春秋戦国時代の中国を舞台に、天下の大将軍を目指す少年・信と、後の始皇帝となる若き王・エイ政(CV:福山潤)の活躍を描く大河ロマンだ。実写映画シリーズも好評を博しており、2024年7月12日には最終章「キングダム 大将軍の帰還」の公開が控えている。
物語に登場する桓騎は、秦国の将軍で、次世代の“秦六大将軍”に最も近いと目されている存在だ。自由な発想で勝利をつかみ取る戦いの天才だが、目的のためなら手段を選ばず、“首切り桓騎”の異名で恐れられている。
アニメ「キングダム」第5期では、対趙国の開戦の狼煙となる“黒羊丘の戦い”が描かれた。秦軍の総大将を務める桓騎の指揮のもと、信が率いる飛信隊も戦いに加わった。
しかし、真っ直ぐな性格の信は、桓騎のやり方を受け入れることができず、民間人への虐殺行為に激怒。敵や反乱に対する刃と、無力・無抵抗の人間に向ける刃は違うとして、「それを同じだと、それが戦争だと言い切る奴は武将や兵士じゃない、ただの略奪者だ!そんな奴らがどれだけ強かろうと、どれだけ勝ち続けようと、中華統一なんてできるわけがねぇ!」と吠えた。
第5期・第11話では、そんな信の怒りに桓騎が応えた。なんと桓騎は笑いだし、「参った、お前が一番だ。俺が今まで会った中で、お前が一番の悪党だと言ってんだよ。信」と言い放った。
桓騎は、中華統一には“大殺戮”と“大虐殺”がともなうとして、「それをやって平和な世界が来たって喜ぶのは秦人だけだ」と指摘した。だからこそ彼は、信の言葉を一笑に付したのだ。
戦争はあくまで戦争……。信の理想を完全なる正解として扱わない描写が、胸に突き刺さったファンも多いようだ。ネット上では、「中華統一は大悪党、確かにその一面は否めない」「自覚のない悪は自覚があるヤツよりよっぽどタチが悪い的な」といった意見が寄せられていた。
※エイ政の「エイ」は環境依存文字
(C)原泰久/集英社・キングダム製作委員会