ひろゆきが南米ボリビアでリャマの食肉処理を経験。狩猟免許を保有する東出昌大から手解きを受け、自ら刺したナイフでその命を止めた。真剣な命のやり取りを終えた後、ひろゆきが語った胸中とは…。
7月7日、『世界の果てに、東出・ひろゆき置いてきた』がABEMAにて放送された。言論界で大暴れする日本一ロジカルな男・ひろゆき(西村博之)を、論理の通じない過酷な世界に、10万円だけ渡して放り込んだらどうなるのか?そんなテーマのもと、アフリカ・ナミビアの砂漠に置き去りにされたひろゆきが、アフリカ大陸を横断する旅に密着した『世界の果てに、ひろゆき置いてきた』。その第2弾となる本作では、前回ひろゆきの旅のパートナーを務めた東出昌大が、エクアドル・プラタ島に置き去りにされ、南米を横断する旅に出発。ひろゆきは2日目から合流した。なお、使って良い移動手段はローカル路線バス、ヒッチハイクなど基本的に陸路のみとなっている。
ボリビアで迎えた南米旅16日目。この日一行は、リャマを捌いて食べる同国の食文化を体験するべく、早朝からオルロ県・カラカラ村へ向かった。普段から狩猟を行っている東出も「気が重い」と本音を漏らすなど、やや重い空気が漂うなか、2人の前に1頭のリャマが運ばれてきた。リャマの体長は推定2メートル。ひろゆきは「ちょっと引くな…予想以上にでかいな」と戸惑いながらも、リャマの背中に手を触れ、「けっこう筋肉はゴツゴツしていて、脂肪はそんなになくて…」と感触を伝えた。するとその直後、ひろゆきはリャマに唾を吐かれてしまい、「うわ〜」と後退り。手のにおいを嗅ぎ「ちょっと臭いですね」と苦笑いを浮かべた。
そしていよいよ、そのときが訪れた。車から降りたリャマはこの先に起こることを察しているのか、通常とは違う声で鳴き、抵抗するような動きも。東出はリャマの首につながれた鎖を握りながら「頭叩いて気絶させたほうが、苦しみが少ないと思うんです」と提案。続けてひろゆきに「頭叩いてこの子、気絶したら押さえつけるので、ナイフで僕の指さすところを刺していただいてもいいですか」と指示を出した。
「なるべく苦しみが少ないように、パッとやっちゃいます」。そう言うと東出は、長い棒でリャマの頭を数回叩いて気絶させ、体を押さえつけた。ひろゆきは東出の指示に従い、リャマの体にナイフを入れていく。「ここを持っていただいて、ここを刺してください」「ドスンといっちゃったほうがいいです。刃を上下にグリグリと」「もう1回グスッと」。手元は映されていないものの、東出の言葉から、リアルな様子が伝わってくる。大型獣を捌くのは初めてということもあり、ひろゆきが「刃が全然入らない」と苦戦していると、現地の人がサポートに入ってくれた。その後もひろゆきは、終始苦しそうな、複雑そうな表情を浮かべながら、解体作業に参加。作業中にカットした生の心臓を食べ「牛よりちょっと癖がある」と感想を伝える場面もあった。その後も東出は慣れた手つきで作業を進め、その姿を見ていたひろゆきは「東出さんって、山の中で1人でこれやってるんですよね」としみじみ。解体が終了すると、2人は自分たちで捌いたリャマの肉を焼き、命の恵に感謝しながら味わった。
心に浮かんだあれこれをすべて吐き出すことで、心を保とうとしていたのだろうか。以前にペルーでクイ(モルモット)を捌いたときと同様、今回もひろゆきはマシンガントークが止まらず、それは解体後もしばらく続いた。「解体している最中にあまり僕、思わないタイプですね。作業に必死。刃物使っていて、気を使わなきゃいけないからそっちに集中しちゃっているのと、握力がないので。息も吸わなきゃっていうギリギリの作業をやっているので、無駄なことを考える余裕がない」。ひろゆきは作業中の感想をこのように語っていたが、東出によると「殺した」という実感が湧くのは、もう少し時間が経ってからだという。
多くの現代人にとって、食肉処理や解体といった作業は非日常であり、つい目を背けがちな部分でもある。ひろゆきは今回の経験を通して、「この作業を他人にやらせて、自分だけ食ってておいしいっていうのはどうなのかなって」と複雑そうに吐露。また、リャマに対し「かわいい」という感情を抱かないようにしていたそうだが、つぶらな瞳で見つめられる瞬間もあったという。「普通にリャマかわいかったですからね」。いつもの明るい笑みを浮かべながら、そう振り返った後、ひろゆきはふいに真顔になり、ため息を漏らした。「ひろゆきは、何かの痛みを共有した。リャマも生死をかけて、痛みをひろゆきに共有した」。そんなテロップが表示されるなか、ひろゆきは「いい経験ができました」としみじみ語ったのだった。