【写真・画像】蓮舫氏3位…立憲に衝撃広がる 野田元総理が都知事選の敗因を分析「相手を厳しく追求する勝ち気な女性」「20年間のイメージを払拭できなかった」 1枚目
【映像】落選に涙を浮かべる蓮舫氏(実際の映像)

 東京都知事選で、現職の小池百合子氏と一騎打ちになるかと思われたが3位という結果に終わった蓮舫氏について立憲民主党最高顧問で元総理大臣の野田佳彦氏が言及した。

【映像】落選に涙を浮かべる蓮舫氏(実際の映像)

 7日、東京都知事選の投開票が行われ、小池氏が291万票で3選を果たした。前広島県安芸高田市長・石丸伸二氏はSNSを駆使して2位に食い込んだ。一方で、蓮舫氏は3位という予想外の結果に終わった。

 投開票後に蓮舫氏は「私の力不足、申し訳ない。戦わせてくれてありがとうございました。楽しかった」と語っている。

 政治ジャーナリストの青山和弘氏はこの落選に「都知事選で3位となった蓮舫氏は政治生命を絶たれるかもしれないほどの痛手を負った。立憲民主党はエースで臨み、大敗を喫した。とりわけ蓮舫氏を全面的に支援した野田元総理は、原因を総括し立憲民主党のあり方を再検討する責任がある」と分析。

 蓮舫氏の印象について街の声を聞くと「『2位じゃダメなんですか』のイメージ。政策をあまり見ていないので、ちょっとわからない」「小池さんを批判ばかりしているのがちょっと…」「まだ若いよね。生意気そうに見えるし」「お友達(立憲)が悪いと思いました。お友達を選んだ方がいいんじゃないかなって」といった厳しい意見が多くみられた。

 野田氏のかわら版では蓮舫氏について「同志中の同志として苦楽を共にしてきた。一見すると華やかなイメージだが、 実は地道にコツコツと勉強する努力家」と評している。

 蓮舫氏は大学在学中にグラビアタレントとして人気を博すと、その後は報道番組でキャスターに挑戦。 2004年の参院選では当時の民主党から出馬し初当選。野田氏のグループで事務局長を務め、妹分として可愛がられてきたが、 2011年の野田内閣では行政刷新・少子化対策担当大臣に起用。 2016年、民進党の代表となった蓮舫氏は野田本総理を幹事長に起用した。

 野田氏は都知事選前に「分厚い予算書を彼女ほど読み込んでいる政治家はいないでしょう。110兆超の国家予算の隅々まで把握できる彼女なら、 およそ8兆円の東京都予算の全容を知るのに時間を要しないでしょう。 何を削り、何を実現すべきか、次々と打ち出していくと思う。私の妹分です。全力で応援する」と語っていた。しかし結果は、小池氏だけでなく、石丸氏にも大きく差をつけられ敗北した。

「蓮舫氏は全体のおよそ5割を占める支持政党がない、無党派層の支持が薄かった。無党派層の多くは石丸氏、小池氏に流れた」(青山和弘氏)

 事実、ANNの出口調査では、無党派層が支持したのは石丸氏が最多の36パーセント。2位は小池都知事の32パーセント。蓮舫氏は大きく引き離され16パーセントと、ここでも3位に甘んじた。

 今回明暗を分けたのは政党色と指摘されている。小池営は自民党の支援を前面には出さない、いわゆる“ステルス戦略”を貫いた。

「自民党の票は欲しいけど、関係はバレないようにしろということ」(自民党・都議)

 また、石丸氏はSNSを駆使する展開。一方、蓮舫氏は「広範な都民のみなさまのご支援をいただきたいので無所属でのぞみます」と語っていたが、立憲民主党の議員らや野田佳彦元総理などがこぞって応援演説を行った。

 立憲民主党に在籍した経験がある弁護士の菅野志桜里氏は惨敗の理由をXで分析した。「『何が原因か分からない』幹部たちが、立憲民主党の時代感覚を圧倒的にズレさせている。一度はここに籍を置いた者として、見ているのがつらい選挙だった」(菅野志桜里氏Xより)

 そして、党内外から敗因の1つとして指摘されているのが、共産党の全面協力。蓮舫氏は共産党の小池晃書記局長とRのTシャツのペアルックまで披露したが、ここに落とし穴があった。

「活動の中心は無党派層、真ん中を取りにいくということだったはず。基本的にはそういう戦略を持ってやったはずですが、必ずしもそれに沿わない形になってしまった部分がある」(憲民主党・岡田克也幹事長)

「(蓮舫氏が)共産党からの候補者のように見えてしまった。少し共産党が前面に出過ぎていたということで、逃げてしまった票もあったのではないか」(連合・芳野友子会長)

 これに対し、共産党の小池氏は急遽会見。「何を根拠に票が逃げたとおっしゃっているのか。根拠を示していただきたい。前に出過ぎたって、選挙戦を見れば、そんな場面はほとんどなかった」と語っている。

 今回の都知事選で惨敗を喫した蓮舫氏について青山氏は「共産党がいたからだということばかり言うのも、立憲のあり方を間違えてしまう。じゃあ蓮舫氏だけで勝てたのか。蓮舫氏、本人の魅力や打ち出し方がこれでよかったのかを考えないといけない」と指摘。

「蓮舫氏はやはり行革のイメージが強い。たしかに日本の国家予算のことも見ることができるが、無駄を省くというのは結局リストラ。その先に希望をどう見せるのかは別の問題。また、攻撃型野党のイメージがある。これが今の有権者に刺さっていないということも考えないといけない」(青山和弘氏)

 これに対し野田氏は「蓮舫氏はどちらかというと相手を厳しく追及する、勝ち気な女性のイメージがある。加えて、行革は得意だけれど。イメージが強すぎた。始まる前は7つの約束を出されて、夢夢しく、笑顔で希望を持って政策を語ろうという方針に則ってやっていたはずだが、残念ながらこの20年間で出来てしまったイメージを払拭できなかった」と敗北の原因について語った。

 また、蓮舫氏の共産党との連携については「4月28日に東京15区の補欠選挙で、我々の担いだ新人が公認候補でしたけれど、共産党からも応援をしていただいて当選した。多分そのイメージがあった」と語った上で「東京都は、都議会議員だと立憲は15人しかいない。共産党は19人。足し算で考えるとその力は無視できないから、蓮舫氏は無所属になったこともあり、応援してもらうのはありがたいと考えたのが基本戦略だったのだと思う。ただ、足し算で済まない、むしろ掛け算にもならず、逆に割り算になったのかもしれないという指摘も出てきている。これはよく分析しないといけない」と見解を述べた。

(『ABEMA的ニュースショー』より)

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